彼女は、ストーカーのような男に追い回される夢を見ました。
場所は見慣れた帰宅路。走って助けを求めようとしましたが、いつもは人通りがあるはずの通りなのに人影が全くありません。
間もなく捕まってメッタ刺しにされた時、自分の悲鳴で目が醒めました。
しばらく経ち、その夢のことなど忘れていたある日、彼女は残業で遅くなった深夜に帰宅を急いでいました。
すると、どこかで見覚えのある男が向こうから歩いてきます。
夢で見た男だと気づいた時、彼女の全身に震えが走りました。
そこは駅からも近い国道で普段は深夜でも車や人の通りがあるはずなのですが、その時は夢と同じように誰もいません。
「夢と同じ、、、」
慌ててあたりを見回した時、彼女の目に見覚えのない電話ボックスが映りました。
「毎日通る道のはずなのに今までこんなものがあるなんて気づきもしなかった」
使う人が少ないからでしょうか。彼女は蛍光灯が切れたままにされた電話ボックスに駆け込み、友人に電話をかけました。
彼女がまとまらない頭のまま、友達に状況を説明していた時、男は電話ボックスの脇を通りながら呟いたそうです。
「夢と違うじゃねえかよ」
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話