心霊なんて信じていない私が
初めて体験してしまった話。
正直、そんなに恐く無いのであんまり期待しないでね？
５年くらい前に
友人と一緒に夕食をしに
ドライブついでに隣町に行った時の話なんですが
ウチは周囲を山に囲まれてまして
隣町まで通っている国道は
山を迂回する形で造られているのですが…
もう１つ
地元の人なら
隣町に行くのに使う峠道がありまして
そこはかなり狭いのですが
直線距離なので隣町に行くのには
便利ということで
その時間帯は車の往来が激しく
あまり運転に自信が無く
新車を買ったばかりの私としては通りたくない場所でして
大人しく迂回して隣町に行きました。
食事をして
少々遊んで帰りの道
時間も遅くなったので
峠道で帰ろうと思いまして峠を目指しました。
峠への道には民家もあり
街灯もあるので
心霊云々という気配は無いのですが
…いや、そうでもない…
住んでいる人には申し訳ないけども
結構不気味ではありますか…
道中に新しいトンネルがあり
その隣にある旧トンネルは心霊スポットだとか何だとか
聞いた事があります。
何より気味が悪いのは
トンネルを抜けた直後
左手に物凄く古い寺のような建物がある位でしょうか…
それが入り口で
民家が立ち並んでいるって感じですか…
まぁ、今回の話は手前のトンネルでも
寺でも無いのですが
もしもこの場所に心当たりがあるならば
注意して欲しいという意味で書きました。
しばらく車を走らせると
民家も無くなり
街灯もなくなります。
市の境を示す看板があり
多少開けた道に出て…
周りは畑
街灯が全く無い場所に差し掛かります。
さらに進むと
前から車が来たらどうしようか？
っと言うほど細い道になります。
まぁ、深夜ですし
絶対に来ないだろうと思っていたら
車が来てしまったんです。
でも、運が良い事に
丁度車がすれ違えるように少々道が広くなっていまして
端に寄って前から来る車を行かせ
走り出そうとした瞬間
頭の真後ろから
物凄い低い音で
『あはははははははははははははははははは…』
何でしょうか…
絶対に人では無いんです。
頭の後ろから
左右の耳に
交互に聞こえるような
そんな感じ…
どう例えて良いか…
物凄い高度なスピーカーでも再現できるかどうか…
隣の友人に目をやると、前を見たまま不動…
友人に対して
こう言うのはどうかと思いますが
彼は自称霊感が強いという
ホラ話ばかりする人でして…
『今、笑い声聞こえなかった？』
っと尋ねれば
聞こえてなくとも
『聞こえた』
っと言ってくるに違いないと思い
『何か聞こえた？』
っと尋ねると
ゆっくりとコチラを向いて
『…聞こえた』
『何が聞こえた？』
『頭の後ろで凄い低い声で笑い声が聞こえた』
どうやら、同じ声を聞いていたらしい…
その時は…何て言うか…
…歓喜に近い気分で
…初めての心霊体験で
心が躍ったといいますか
妙なテンションになった事を記憶しております。
それでも
後部座席を確認する気にはなれませんでしたが
無事に峠を越えて
友人を送り
車中には私一人
正直、心霊体験をしたけども
実体の無い物に何ができるか？
っと結構舐めていた私。
特に恐いという感情も無く
定期便が往来する深夜の国道に入ろうと
ウインカー出した時でした。
ウインカーが点灯しないんですね。
何度も上下させても
点灯どころか
チッカッチッカ…
っという音も鳴らない。
舐めてた…マズイ…コレはヤバ過ぎる…
寒イボと冷や汗が吹き出ました。
友人を送るまでの間は
本当に異変が無かったのに…
直後も右折する時はウインカーはしっかり点灯していたのに
…定期便が物凄いスピードで往来する国道で…
一番危ない場所でウインカーが点灯しない…
いや、入るのは平気なんですが
私の家に入るのは
国道を右折せねばならない…
そこでウインカーを点灯させないと
後続の定期便に
追突されるかも知れない…
そんな心配をしながら
無事に帰れる事を祈り
家まで車を走らせましたが…
不思議な事に
自宅付近になりましたら
ウインカーが復活…
無事に帰宅できました。
後日
一緒に車に乗っていた友人に
その話をすると
友人は友人で肩が上がらなくなった…っと。
その話は
しょっちゅう友人がホラ話の後にオチとして使う話なので
信じておりませんが
自分に降りかかった出来事は真実。
正直、舐めてはいけませんね。
因みに、私が笑い声を聞いた場所ですが
現在は広い道路と合流して、無くなったと思いますが…
ちょいと確認しに行くのはいやですね。
怖い話投稿：ホラーテラー 匿名さん
作者怖話