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中編3
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ワンピースの女

社会人1年目の頃の話。

当時、学生気分があまり抜けておらず、その日新入社員4人で心霊スポットに行こうということになった。

そこは首吊り自殺の名所であり、車がすれ違うことのできない細くて小さなトンネルで、工事を途中でやめたのか所々鉄骨が剥き出しな所。その鉄骨で首を吊ると言われている場所だった。

俺は後部座席に乗り、そのトンネルを通過。途中、運転していたF君が一瞬ブレーキをかけ「気のせいかな?何かが前を横切った気がするんだけど?」と言っていたが、俺は怖くて目を瞑っていて見てはいなかった。

その時はそれ以上の何事なく会社の駐車場まで戻り、それぞれ自分の車で自宅へ戻ることになった。

自分の車に乗り込み時計を見ると0時を過ぎており、「ヤバ〜 もうこんな時間かぁ、急ごう」と車を走らせた。

あと1㎞程で自宅という距離になった時、視界の左端にワンピース姿の人影が見えた気がし、車のブレーキをかけたが、見ると誰もいない。

「ん?気のせいか」

さして気にもせずスピードを少し上げた。

ところが、あと500M程で自宅という所でまたしても視界の左端にワンピース姿の人影が映ったような気がし、スピードを落としたがやはり誰もいない。

この時点でワンピースは花柄模様の服だと気が付いたものの、気のせいだということで自分の中で消化してた。

自宅に着き、車を車庫に入れ車を降りた瞬間、人の強烈な視線を背中に感じ『車庫の中に人が?!』と思った俺は咄嗟に電気を点けた。が、誰もいない。しかし明らかに人の気配がする。その瞬間背筋がゾクゾクとし始め慌てて家に駆け込んだ。

両親はすでに寝ており、俺は恐怖心を押し殺しながら自室に入った。

「怖い怖いと思うからダメなんだ!気のせいだ、気のせい!」と自分を励ましつつ着替えを済ませたが、どうしても人の気配が消えない。

どこから気配がするのかどうしても気になるため部屋を見渡すと、出窓に目がいった。

「怖いと思うな!気になるなら確かめろ!意外に本当に気のせいかも」と自分に言い聞かせカーテンを開けた。

「…ヒッ…!!」

悲鳴を上げようにもあまりの恐怖で声が出ず、喉のあたりでヒューヒューと鳴るばかり。

窓の外にはワンピース姿の女が、物凄い形相でこちらを睨んでいた!真っ黒で肩までの髪、もう絶対この世の者じゃない肌の色、極めつけはこの自室は3階(1階は駐車場)。

気のせいじゃなかった…。

一晩中眠ることもできずガタガタと震えるばかりでした。

最悪なことにそれからというもの特に何かされるというわけではないけど、昼夜問わずずっと傍におり、見えるのは俺だけらしく、心霊スポットに行ったメンバーに言っても見えないよとの返事。

3日目、体力も限界になり殺されるんじゃないかと思った俺は、見えると言う従姉妹の家に相談に行った。

従姉妹に事の成り行きを全て話すと、「面白がってそんな所に行くからだ!」と怒られ「とりあえずお祓いに行くように。あと今晩は小豆と塩を身に着けて寝るように」と言われた。

帰り際に従姉妹に見えるかどうか聞くと「見えない」とのこと。

その夜から俺の周りに見えていたはずの女が不思議なことに消えていた。

原因は翌日に判明。

従姉妹から俺に電話があったそうで俺は仕事で家におらず電話は母が取った。

話によると、従姉妹は烈火の如く怒っており「○○(←俺)が、私の家に置いていきやがった!」とのこと。

従姉妹は一晩中、部屋中の壁を引っ掻かれ、強い金縛りに合い死ぬほど怖い思いをしたらしい…。

その後

従姉妹とお祓いに行き事なきを得たが…従姉妹に一発殴られました…。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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