私は霊感がひどく、暴走しているように広範囲で霊を拾ってしまいます。
これは、今まで以上に不可思議だったため投稿しました。
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高校入学して間もない頃、もちろん部活に参加は出来てません。
ただ、教室に残り授業の分からなかった部分を親切な友人から教えてもらっていた。
ちょうどその時、ありもしない視線を感じたんです。
私の教室は廊下の突き当たりで、廊下の窓からプールが見えます。
そして、教室後方のドアからその窓が見える形になっており、影が人の形を残し、こちらを凝視している。
でも、こちらから直視は出来ず、視界の端に軽く入れることしか出来ませんでした。
真っ正面に捉えると、姿が消えるんですよ。
そして
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時刻は7時。
部活も終わりを迎え、誰もが帰宅する時間帯にことは起きた。
私たちが帰宅することを決めた直後、停電のように廊下の電気が一斉に消えました。
これは多分、係りの先生なんだと思います。
階段や教室の電気は点いてたため、私もさほど怖くはありません。
それでも素早く荷物をまとめ、教室の電気を消しました。
前のドアから出ようとした時、私は心の中で驚き、またかとどこから来た? という言葉が頭の中で交錯した。
廊下を挟み、ドアの真っ正面に物置きなのかなんなのか、勝手の分からない部屋があります。まあ、教室のドアと同じでスライドかつ小さい窓がある。
その物置きの窓に小さい男の子の顔があったんです。
ひどく無表情で、でも怖くはない。眠たそうに目を細めた可愛らしい顔です。
いきなりのことで私も一瞬、脚を止めました。
でも、小さい頃から、そんなのと遊ぶんじゃない! と親から叱られてきた私です。
既に区別は付けられるようになり、それが生き物ではないことはすぐに理解出来ました。
友人が気付いていなかったんですから。
でも、なんで男の子がこんな所にと頭を抱えました。
その時、私は思わず声を上げてしまったんです。
どういう経過は分かりませんが、机の中に忘れ物したことを思い出したからです。
慣れないロッカーと格闘する友人に断りを入れ、教室へと引き返す。
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電気を点けた時、貞子のような女を私は見ました。
それも、私の入った前のドアと対角線上に、まるで宙ぶらりんになっているように真っ直ぐな。
髪は天然カールのようで、胸まであり、ほんと貞子のように顔を覆っていました。
だから、私は荷物を取るのをやめました。
背筋を駆け抜けた悪感と身体を引きさかれんばかりの恐怖心にかられたからです。
見えたのが、一瞬であったこともまた。
常時見えるのならば、避けて動けます。
ですが、見えたのが一瞬
電気を点けた時、蛍光灯がいくらか点滅する時にだけ見えたんです。
そして、本能が近づくな! と警報を鳴らしていた。
だから、私は教室を後にした。
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今見たものを無かったことにして、いつも通り中央階段から帰ろうと足先を向けた。
その時、空中を飛び交う黒い何かと
カツーン、カツーン
という金属同士がぶつかり合うような音が、少しずつゆくっりと、でも着実に近づいてきているのを感じました。
構わず脚を運ぶ友人を引き止め、下駄箱から離れるが教室前の階段を使うことにしました。
友人を自分の前に置き、金属音に最善注意を払って……
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あの時、身体の芯まで凍りついた恐怖心は忘れません。
あれは、物理的に感じる死の恐怖ではない。
ヤバイ霊に出会った時に感じる恐怖心。それも、今までにあったことのない、明日を感じさせないほどの絶望です。
ま、最近は慣れてきてはいるのですがw
作者鬼響