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短編2
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病院

これは霊感の全くない知人(以下 A)が足の怪我で入院した時の実体験です。

Aが入院していた病院はそこそこ大きく、そこの三階の個室で療養していた。

その病院には各フロアに1つずつ喫煙所があるのだが、深夜には一階の喫煙所を使うよう言われていた。

Aは夜中に目を覚ましてしまい、中々寝付けなかったのでタバコを吸いに行く事にした。

タバコと缶コーヒーを買う為の500円を持って部屋から出てエレベーターの前で待っていた。

エレベーターは2つあったが、

1つが一階、もう1つが六階に止まっていた。

降りるボタンを押し、待っていると六階に止まっていたエレベーターが動き出し、それに乗って一階に行った。

途中の自動販売機で缶コーヒーを買い、一服していた。

さぁ、そろそろ帰ろうか。

Aがエレベーターの前まで行くと、また1つが一階、もう1つが六階で止まっていた。

ボタンを押すとおかしな事が起こった。

一階に止まっているエレベーターの扉が開かず、六階のエレベーターが降りてきたのだ。

あれ?何か気持ち悪いな…。

そう思ったが、ただ戻るだけと思い、そのエレベーターに乗り「三階」を押した。

エレベーターが動きだし

二階…

三階…

四階…

止まらない!!

あれ?あれ??

エレベーターはまだ上がる…

五階…

六階…

「チーンっ」

扉が開くと、そこには真っ暗な廊下が真っ直ぐに続いていた。

うわっ!気持ち悪いっ!

Aはすぐに「三階」と「閉」を連打した!

変な汗が吹き出て来る…

エレベーターは閉まらない。

えっ!?

何度も何度も「閉」を押す。

エレベーターは閉まる気配も無い。

その時

「あはははは」

笑い声が聞こえた。

Aは声に気付いたが「閉」を押し続けた。

「あはははははは」

「あはははははは」

笑い声は止まない

真っ暗な廊下に目をやると

「あははははははははは」

と奇声とも思える笑い声を出しながら、小さい男の子が走って来た!

背中の汗が凍った様に冷たい。

「あはははははははははは」

男の子は止まらずに走って来る

男の子が笑いながらエレベーターの前まで来ると、やっと扉が動いた。

早く!早く閉まってくれ!

Aは「閉」を押し続ける

扉が閉まると同時に男の子がAの体に抱きついてきた

「捕まえた」

男の子の言葉を聞いた瞬間Aは気絶した

目を覚ますとベッドの上にいて汗をびっしょりとかいていた。

夢か…

そう思ったが、違和感を感じポケットに手を入れた。

チャリ…

ポケットには380円

夢じゃなかった!!

「あははははは」

そう思うと男の子の笑い声が聞こえてくる気がした…。

ダメだ…起きよう…

Aが体を起こすと

「あはははははははははは」

男の子はまだAに抱きついていた

Concrete
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