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これは実話です
私がまだ中学生だった頃
家の裏には一人のおじさんが住んでいました
とても優しい人で、よく私の好きな御菓子をくれたり人形をくれたりしました
ある日、突然そのおじさんは顔を出さなくなりました
とても評判のいい人だったので、家族は勿論近所の人も心配してました
それから何カ月か経ったとき、痺れをきらした私はこっそりとそのおじさんの家に入ってみることにしました
季節は夏、私の短くなった髪がそれ物語っていました
私は迷うことなく、進みます
そうっと、小さい窓から中を覗くとそこには誰も居ませんでした
電気もついてないし物音一つしない
なんだか不気味になった私ははやく帰りたいと思いつつ、窓から離れようとしました
その時、不意に目に留まった銀の箱
窓の前にある小さな棚の上に置いてあるそれに私の目は何故か釘付けになりました
悪いとおもいながらも、そっと手をのばして蓋を開けてみる
中には小さな手作りの人形(てるてる坊主みたいなの)がありました
ふと、その生地を見ると見覚えのある柄
その時、私は嫌な予感がしてその人形を恐る恐る手に取りました
間違いなく、それは私が捨てたはずの下着の生地でした
そして、その人形の、髪の部分は明らかに人間の髪が縫い付けられていました
私は先日髪を切ったのを思い出してゾッとしました
その箱のなかにはもう一つ、変な紙が入っていました
それは私の顔写真
それも無数のものが重なりあって一枚の紙に張ってありました
もう声もでなくて、ただただ泣きました
ずつと優しくて大好きだったので本当にショックだったんです
怖いとかじゃなくて、ただ悲しかったんです
信用してたのに、裏切られた、こんな気分でした
結局この事は家族にも誰にも言えるはずもなく、今でも私だけの秘密になってます
おじさんはこのあとすぐに引っ越しました
勿論誰にも挨拶もせずに
この一件以来、私は大人の男の人が怖いとおもうようになりました
信用出来ないからです
まぁ、とにかく人間が一番怖い、これだけは確かに言えます
作者あの人の女