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短編2
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保育園のA君

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私が4歳くらいだった時だと思うのですが、1つ上の中のいい子がいました。

当時私は甘えん坊の泣き虫で母が私を保育園に送り仕事へ行ってしまうのを見送ると1人で非常用の滑り台の下で隠れるように泣いていました。

それが1年以上続きあまり友達も多くなくずっとめそめそしていました。

ですが、そんな私にもようやくA君という1つ上の色々話せる友達が出来ました。

私とA君は園児の布団をしまっておく押入れのような所へ隠れて2人で積み木やレゴなんかをして遊んでいました。

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ところが、ある日を境にA君は全く園に来なくなってしまったのです。

また1人ぼっちになってしまい寂しくなった私は他の子とも話すように徐々に友達も増え次第にA君の事は忘れていってしまいました。

A君のことを忘れてどれくらい経ったのかは詳しくは覚えていないのですが、ある雨の日(屋内で遊んでいたので雨だったと思うのですが、記憶が曖昧です)誰かが投げた積み木が私の頭に当たり私は倒れてしまいました。

その時はたんこぶが出来たくらいで特に気にもして無かったのですが、それから数日してA君が再び園へ通い出したのです。

A君の事をすっかり忘れていた私ですが、A君とまた遊べるのが嬉しくて毎日遊んでいました。

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それは1つ上のA君が卒園するまで続きました。

それから月日が経ち私も小学校へ通う歳になり久々にA君に会えると楽しみにしていました。

ですが、小学校をいくら探してもA君はいません。

A君の事を母に尋ねてみようと思いA君が小学校を探しても何処にもいないことを母に聞いてみました。

すると母からは意外な答えが・・・

『俺君には言ってなかったけどA君ねえ。◯◯川堰き止めたダムみたいになってるとこあるでしょ?あそこに子供だけで行って溺れて亡くなっちゃったんですって。

危ないから俺君はあそこに子供だけで行っちゃいけませんよ?』

私は悲しくて悲しくてまた泣いていました。

母にそれはいつのことなのか尋ねると

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『1年半か2年くらい前だったかな?』

おかしい、、、2年前に亡くなっているのであればA君は卒園していないはず。

卒園までは私は確かに一緒に遊んでいたはずなんです。

思い当たるのはA君が突然来なくなった日。多分あの前日にA君は亡くなったんだと思う。

そして、また通園してくる直前に私が積み木で頭を打ったこと。あれがきっかけだったのかなと勝手に思っています。

当たりどころが悪ければ死んでいたのをA君が守ってくれたと思っています。

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