始めに言って置きますが、この話しは霊現象とはまったく関係は御座いません。
しかし、ボクが味わった恐怖(笑)を感じてほしく、投稿させていただきましたことをご了承下さい。
去年の梅雨時の事です。
箱根で寮暮らしをし、ホテルのレストランでウェイターをしていました。
その寮はホテルから、歩いて10分ほどの所にありました。
通勤路は二ヶ所あります。
一つは正面玄関を出て、車道、と言うか舗装された道。
もう一つは一応舗装はされているが、山の中の遊歩道のような道。
仲間内で『獣道』と呼ばれていました。
そこは誰のものとも解らないお墓と、住人の気配すらないアパート&住居…雰囲気悪すぎの味のある道です。
舞台は後者の『獣道』です。
梅雨。
じめじめの空気は色々なものを侵食します。
ボクの居たレストランのカーペットとて、例外ではありませんでした。
業務終了後、カーペットに生えたカビを取っていました。
正直根気の要る作業で、やっとこさ終わり、時計を見ると12時を過ぎていました。
付近のコンビニは11時には閉店。
食料は時期的に買いだめの出来ない状況。
まぁ落胆…なわけです。
鳴きわめく腹の虫とともに意気消沈で帰路へ。
差し掛かるは『獣道』。
街頭は有るが雀の涙、広がる闇の前では焼け石に水。真っ暗でした。
更にテンションダウンな訳です。
道も自分も暗い暗い…暗い&クライです。
しかも真っ暗のなか、漂う線香の香り。
もう嫌になりますよ。
そんな道をトボトボと歩いていると、闇の中に蠢く歪な球体が。
なんだ…?猫…ぢゃいな…。
ゆっくりと近づき、目を凝らしてよく見ると。
カタツムリっ!
それも何十も!!
まるで押しくらまんじゅうでもしているかのように、うにうにと円を形づくっていました。
氷つき、固まり、カタツムリの塊から目を反らせないボク。
よく見たくもないのによく見ると、ソレは大きめのガマに張り付くように群れて居ました。
なんの因果か、ボクは『ガマvsカタツムリ軍団 世紀の大バトル!!』
の観戦者になってしまいました。
硬直するボクを尻目に、勝敗はあっさりと着きました。
通りがかった黒めのネコさん。
塊をパクっとくわえてどこかに行って終いました。
後味の悪さに更にテンションの下がったボクでした。
怖い話投稿:ホラーテラー ダテコさん
作者怖話