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中編5
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嫌われ者。

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あいつは皆の嫌われ者だった

もちろん、私も。あいつが大嫌いだった。

あいつが可哀想だと思わなくも無いがあいつは嫌われる定めだったのだ。

昔、といっても7年前の事

私は中学生だった。私のクラスは他のクラスに比べるとイジメも少なく平和なクラスだった。

生徒同士では…

私のクラスには補助教員の小澤( 仮名 )という奴がいた。車椅子の子の世話をしていた。

最初の方はみんな普通に接していたが、そいつがクラスのマドンナ的存在の洋子( 仮名 )に想いを寄せているという事が発覚すると一斉に態度を変えた。( 何故それが発覚したのか今でも不思議に思う)

他にも小澤には決定的な欠点がいくつもあった。

1,顔が汚い。

2,太っていて体臭がきつかった。

3,声がダミ声で笑方がキモい。

4,極度のマザコン( らしい )

まぁ、そんなこんなで他クラスの生徒にまで及ぶ小澤イジメが始まった。

今思えば小澤へのイジメは残酷極まりないものだった。

容姿の事を口汚く罵るのは当たり前。

小澤の給食は無いのと同然ぐらいに減らされ、牛乳を注がれた。(本人はそれを食べるしかなかった)

靴紐はボロボロに切り刻まれていたので、いつも靴紐が無い状態で靴を履いていた。

ズボン下ろしもよくされていた。

そんなイジメが半年も続けば人間は精神を病んでしまう。

小澤は頭に十円ハゲをいくつもつくり、やつれていった。

そんなある日、私は小澤に呼び出された。

当時はなんで私が?と思ったが今思うと私は学年委員に所属していたため、私なら信用出来ると思ったのだろう。(まぁ私も影で色々やっていたのだけど。)

話の内容はこんな感じだった。

「君は学年委員だから先生の見方だよね!君も知っていると思うけど僕は洋子ちゃんが大好きなんだ。想いを伝えたいんだ!!協力してくれ‼洋子ちゃんは好きな人居るのかな?君、洋子ちゃんと仲いいだろ⁈教えてくれよおおお‼‼‼」(本当にこんな感じだった)

虫酸が走った。

私は声に鳴らない叫び声をあげた。

実際のところ、洋子には彼氏が居たし、教師が、ましてや小澤が生徒に恋心を抱くなんてもってのほかだった。

私の叫び声に気がついた先生が小澤から私を引き離した。

私は小澤の事、私達が小澤の事をイジメている事まで全部話た。

次の日緊急で学年集会が開かれた。

小澤が家庭の事情でこの学校を去るという事だった。

「それでは小澤先生、一言お願いします。」

「2-Eのみなさんにはとてもお世話…になりました。あ…ありがとう。他のクラスのみなさんも。私から、2-Eのみなさんにプレゼントがあります。う……っけけけけけ取ってくっださい。さよなら」

明らかに様子が変だった。

私は昨日の事があったため小澤の顔を見ることはできなかった。見なくてよかった。

クラスメイト達が「あいつ目がイッちゃってたよな。」「ああ、俺もさすがにぞっときた。」

などと口にしていたから。

小澤が去ってから2週間ほどたった頃、2-E宛てに贈り物が届いた。

「僕からのプレゼントです。可愛がってあげてね」

ミミズが走った後の様な汚い字でそう書いてあった。贈り主はすぐに予想がついた。

「うっわぁ〜これあいつからだぜ。」

「きんもーい!何でピエロなのよお」

それは幼稚園児ぐらいの子どもと同じぐらいの大きさで不気味な形をしたピエロの人形だった。

「お望みどうり可愛がってやるよ」

クラス1の不良の幸次君(仮名)が人形をいじり始めた。

十分もしないうちにピエロの人形はボロボロになってしまった。

それから一週間たったかたたないかぐらいに幸次君はおかしくなってしまった。

頭に十円ハゲをたくさんつくり、頬はげっそりとこけてしまった。

そんな幸次君を心配した私達は何があったのか、具合が悪いのか必死に問いただしたが何も聴けず、彼は不気味に微笑むだけだった。

そんな日が続いたが、ある日彼はボソッとこんな事を言い出した。

「あいつが…くるんだよ…毎晩毎晩ピエロの格好をして…うちに来るんだよ…」

背筋がぞっとした。

小澤が私達を恨んでる…?

気持ちが悪い。

私達は、幸次君の言っている事が本当なのか確かめるために彼の家に泊まることにした。

幸次君の親は仕事で留守だった。

幸次君の家に泊まるメンバーは私と男子2人、洋子、その他女子2名の計6人。

しばらくの間他愛も無い話に花を咲かせていたがその間も幸次君は何かに怯えビクビクしていた。

11時も過ぎてみんなで寝る準備をしていると幸次君がけたたましい叫び声をあげた。

幸次君の方を見るとそこにはあいつがいた。

ピエロの格好をしてドアの前で仁王立ちになりこっちを見てなんだかよく分からない言葉を呟いている。

誰一人として声が出なかったし体が全く動かなかった。

「ぎゃあああああああああああああっっ」

隣で洋子の叫び声が聞こえた。

横目で隣を見ると、小澤が洋子に何か囁いていた。

洋子の叫び声はもっと激しくなっていく。

怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い

バキッ

気が付くと朝だった。

あぁ、あれは夢だったのか。よかった。

ねぇ、洋子…洋子⁈洋子が居ない!

幸次君は⁈幸次君も居ない。

ヤバイヤバイヤバイ…

私は他のみんなを叩き起こした。

「ヤバイよ!洋子と幸次が居ない!」

「本当だ!どこいったんた…うわああああっ!」床は赤黒い液体で濡れていた。

大パニックになった私達は、警察に電話もせずに逃げ出した。

一週間後、洋子と、幸次君が行方不明になったと聞いた。

私達は、もうあの2人は帰って来ないだろうと思った。

それと同時にクラスは解散となり、小澤の記憶も薄れつつあったが、先日あった同窓会で聞いてしまったのだ。

あの時ピエロの格好をした小澤が呟いていたわけのわからない言葉と「今は洋子ちゃんより君が好きだよ麻里絵ちゃん」と言う小澤の声が。

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すいません、ちょっとした疑問として、
これは話の流れ的にはマリエちゃん=私で合ってますか??

違ってたら申し訳ないです。

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