これは担任の先生から授業のときに聞いた話。
その先生はいわゆる、ベテラン教師で今まで何回も野外活動に行ってるらしいけど先生曰く、人生で後にも先にも一番死ぬかと思ったという話。
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今から15年ぐらい前。
野外活動に行ったのが梅雨の時期っていうのもあるけど民宿施設が山奥で霧がすごかったんだらしい。
でジメジメしてるし、気温も6月にしては低めでそれなりに体調不良者も出るらしい。
案の定、3人の生徒が体調が悪いと訴えて初日のオリエンテーションを休みたい。って言ったらしい。
で、その先生はとりあえず、宿泊棟の自分の部屋で休んでなさい。って言ったらしい。
それで、その3人の生徒は離脱して自分の部屋に戻ったらしい。
初日のオリエンテーションが終わって夕食になるとその3人の生徒が戻ってきた。
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初日なのでまだ余力があるのか、生徒は元気に喋りながら食事をしている。
でも、そんな中あの3人の生徒はあきらかに様子がおかしい。
先生は体調が悪いだけだなと思って気にしてなかったが、あまりにも暗いので3人に『体調はどう??』と聞いたらしい。
すると。。。
3人が同じことを言ったらしい。
『先生。。。廊下をハイヒールを履いた女の人が歩いてたんです。。。』と。
しかも2人は同じ棟だがもう一人は違う棟。
先生は案の定『そんなことないだろう!!』と受け流すがこの時始めて冷や汗というものが出たらしい。
というのも、毎年その先生が持つ学年で野外活動に行く時は2日目の夜に班で散策を盛り上げるために怖い話をするらしい。
そうすると、生徒の中のやんちゃな男子が『トイレに幽霊がでた!!』とか女子を驚かせるための嘘を言っているが今回は嘘じゃない。。。そんな感じがしたという。
それから入浴が終わり、とうとう初日の消灯時間を迎えた。
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生徒は寝るけど、先生はちゃんと生徒が部屋で寝ているかを点検するためある程度の時間まで起きてるらしい。
先生は内心嫌だったが、これも仕事なので部屋から出て生徒のいる棟に向かった。
野外活動に行った事のある奴ならわかると思うけど、ああいう施設って基本森の中で夜になると真っ暗になる。
施設の照明だけだと明らかに暗いので懐中電灯を持ってその棟に行ったらしい。
で、先生の部屋から生徒のいる棟までは3分ぐらいで着いたらしい。
棟に入り、階段を上ると長い真っ直ぐな廊下が続いてて時間が遅かったせいか、生徒は意外にもぐっすり寝てたらしい。
『よし、早く戻ろう・・・』と思い階段を降りようとしてふと長い廊下を見ると、真っ赤なドレスで赤いハイヒールを履いた女性が一番奥からこちらをじっと見ている。。。
先生は怖くなってダッシュで戻ったらしい、そのことを他の先生に話すとやっぱり信じてもらえない。
そんなことを考えて寝ていると2日目になっていた。
相変わらず、2日目も雨。
生徒もさすがに疲れがたまっているらしい。
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2日目の夜は消灯時間になるとみんな直ぐに寝てたそうだ。
その日の見回り担当は他の先生で先生たちも明日で帰るというのもあり、あっさりと寝てしまったそうだ。
その先生がふと目が覚めたときは深夜2時頃で周りの先生はみな爆睡している。。。
『目が覚めたことだし煙草でも吸いに行こう。』と普通だと怖いから行かないはずなのに何故かその時は行けたらしい。
ベッドから起き上がって部屋のドアを見ると、
誰かが立ってる。。。
ドアの曇りガラスに明らかに女性が立っていた。。。
そう、昨日の女性だ。。。
『やばい・・・やばい・・・やばい・・・』先生はすぐベッドに潜り目を瞑っていたらしい。
10分ぐらい経ち、勇気を振り絞り、布団から顔出すとなにもいなかったそうだ。
先生は再び寝ることにした。
するとまもなく耳元で『・・・・み・・・・・・・・・ぎ・・・・・』と聞こえる。。。
まさかと思い右を見てみると、
あの女性が首を吊っている。。。
ロープで首がねじれ、体は壁側を向いていても顔はこちらを見ていたそうだ。
それからのことは先生は覚えてないそうだ。
恐らく驚いて気絶したとのことだ。
それから数日後。
その時に撮った写真を見ることにしたそうだ。
楽しさが伝わってきそうな微笑ましい写真の中に明らかにおかしい写真があったという。
その写真は集合写真で学年全員が施設をバックに写っている。
その中に、あの女性を見たという生徒3人が同じ方向に施設の方に振り向いているのだ。
3人の視線の先には施設でいう、2階。その先生が寝泊まりしてた部屋だそうだ。
そう、そこにはあの女がいた。。。じっとこっちを軽く笑いながら見ているそうだ。
よーく見ると、体はこっちを向いていない。顔だけがこっちを向いていた。。。
場所は言えないが、その施設今もあるそうだ。
これから野外活動・合宿の際にああいう施設に泊まる際は気をつけたほうがいいかもしれない。
聞いてくれてありがとう。
嘘みたいな話だけど本当の話らしい。
作者たくちゃん