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短編2
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部屋一面に

これは俺が実際に体験した話。

俺の地元には予備校がなかったから、予備校がある場所の近くにアパートを借りたの。

そんなにいいとこには住めないから、家賃が4万以内の物件を探したんだけど、日当たりが最悪。

でも6畳間でキッチン風呂つきで築30年のわりに案外キレイな内装だったから、その部屋を借りることにしたわけ。

最初の内は初めての一人暮しで楽しかったんだけど、入居して暫くしてから何度も金縛りに遭うようになったのよ。

金縛り自体には慣れてたから、大して気に止めることもなかったんだけど、ある日夢を見たのよ。

その夢があまりに気持ち悪くてさ…。

夢の中で空襲跡の焼け野原のようなとこを歩いてたら、焼けた人間を食べてるやつがいたのよ。

やたら手足の長いやつで、細身なんだけど筋繊維がはっきり見えるくらいの筋肉質のやつ。

そいつに「お前も食えよ」ってニヤニヤされながら言われて…。

そいつが人間ではないのは明らかで、抵抗しても無駄だし、「夢だからいいだろう」って思ってそいつに手渡されたものを口にしたわけよ。

そしたら味がしたのよ。

夢なのに…

レバーって独特の臭みがあるでしょ?それにアンモニアの匂いを足した感じ。

その匂いが鼻から抜けていって、吐き気がして目が覚めたわけ。

そしたら金縛り。

で、目を開けたら壁一面から焼けただれた何人もの人間の上半身が俺を見下ろしてたわけ。

暫く(時間にして30秒ほどだったと思う)すると、その人間たちもスーっと消えていったんだけど、なんでこんなことになったのかが全く見当がつかなかった。

あとから聞いた話では、そのアパートから100メートル程離れた場所で、戦時中に空襲で死んだ人たちをまとめて火葬した場所があったらしい。

もしその人達の霊が現れたのだとしたら、何故俺のところに?

もっと近い所に人が住んでいる場所があるのに…。

マジで怖かった。

怖い話投稿:ホラーテラー ちびま〇こちゃんさん  

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