小学校に通うA君は忘れ物が多く、よく先生やお母さんに叱られていた。
ある日、『いってきまーす!』と、元気よく学校へ向かった。
学校へ行く途中に、音楽の授業で使う物(笛)を家に忘れた事に気付いた。
叱られるのが嫌なA君は、急いで家に戻った。
遅刻したら怒られる。
忘れ物したら怒られる。
焦っていたA君は、帰宅途中の踏切で、電車に跳ねられて即死してしまった。
見付からない体の一部もあったという。
何日かして、母親がA君の部屋を掃除していた。
忘れ物帳ね…。
懐かしく思った母親はペラペラ捲ってみた。
雑巾。
石鹸。
宿題。
etc.。
母親は自然と涙が出て来た。
忘れ物帳の一番最後。
僕の右手。
と、書いてあった。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話