短編2
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人が眠る病院

 この話は、楽しくなるはずの修学旅行で起こった話です。

 私の学校は修学旅行で沖縄へ行くことになっていました。1日目、2日目は順調に過ごすことができ、それは一般的に楽しい修学旅行でした。

あの、3日目さえなければ・・・。

 3日目の日程では朝からホテルを出て、防空壕に入り、夕方には、防空壕を出発。そこから、ホテルへと行くことになっていた。

私は、戦争の話に興味があり、防空壕を目の前にして感動した。早く入りたかったが、この防空壕について、バスガイドさんから説明があった。

 バスガイドさんの話によると私のクラスが入ろうとしている防空壕は、戦争時に病院として使われていた防空壕。遊び半分ではけして入らないこと。この2点でした。そして、いよいよ懐中電灯が配られ中へ入った。

病院として使われた痕跡はなく、ただの穴のような感じで、思ったよりもリアルさがなくがっかりしていた。そのとき、「たす・・け・・て」

と聞こえたような気がした。私は、気味が悪くなり隣にいた友人にひっつくようにして歩いた。が、声はまたした。

「出て行け!!」

その声は、さっき聞こえた声ではなく、男の人の、はっきりした声であった。さすがに気のせいではないことにきずいたが、今さら出て行くわけにはいかないので、心の中でお経を唱えた。しかし、声はなくなるどころかだんだん増えていき

「捨てないで・・。」

「いやぁぁぁっ!!」

「誰だ?」

など、いろいろな声が次々と聞こえてきた。

それにつれて、頭が痛くなりふらふらとし、さすがに友人もその様子にきずき、先生をよんでくれた。

 私は、先生と一緒に外へ出ることになった。外へと出る間にも声が聞こえた。先生は私に「落ち着いて!!」などと声をかけながら、外に出ることができたのだった。

 先生から聞いた話では、昔ここは病院でたくさんの人たちが生きているのに助からないという理由で生き埋めになったそうです。

 皆さんも沖縄の防空壕に入る時には気を付けてください。

怖い話投稿:ホラーテラー ちなつさん  

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