嘘みたいなほんとの不思議な体験です
まだ若かりし頃の話。
当時お酒が大好きだった私はどれだき飲んでも二日酔い知らず
飲み屋に勤めてた事もあり毎日バカみたいに浴びるように飲んでいました
ある晩、お酒に自信があるメンバーで飲み比べをする事になり集まったのは私を含む六人程。
ビールにウイスキーにブランデー…面白いように空ビンが並ぶ中
一人、また一人と脱落していき残るは三人。
結局朝方まで飲んでも勝負はつかず店はお開きに
お酒には自信があった私もさすがに飲みすぎてツラい…途中から意地になってたのもあって家に帰って安心した反動で一気に酔いが回り目を開けても閉じても景色がグルグル回る…
時間が経つにつれどんどん苦しくなりうなされる様に寝返りを打ちつつ荒い息をしていました
自業自得ながらも
このまま死んでしまうかもなどと後悔の念にかられていたら
フッとそれまでの苦しさが嘘のように消え、気がつくと色のない川原に立っていました。
そこは色だけじゃなく、音もない。
それどころか気温もない不思議な場所でした。
音も無いのに川は流れています。
私は咄嗟にヤバイかも…と思い帰らなければと後ろを振り向きました。
すると…無いのです。
言葉の通り
後ろが無いのです。自分のすぐ後ろからは真っ暗な闇。
帰ろうとしても壁のように向きを変えることもできない。
困ったなぁーとしばらくボーっとしていました。三途の川…あたまの中にその言葉がよぎりました。
でもよく聞くお迎えも舟もありません
ふとそういえば私は川以外の景色をみてなかった事を思いだし前を見てみました。なるほど、遠くにそれはそれはきれいな山と花と虹。
途端に行ってみたくなりました。
そこで私は川を歩いて渡りました。不思議に着ていた服を濡らす事なく渡れてしまいました。そしてあのきれいな山を目指します。
ところが思いの外険しい。ゴツゴツの岩肌を登り、底の見えない崖を越え、途中ここまでして行かなければならないものかと自分に問いかけながらも足を休める事なく進むのです。
あともうひと息できれいな山に着く…
ん?
何か聞こえる。
すごく懐かしい音…何だった?毎日聞いてたこの音は…
電話だ!
そう思った瞬間私の目に映ったのは見慣れた部屋の天井でした。
重い体を何とか動かし電話に出ると親戚の中でも仲良しの女の子。
用事はないけどふと思い立ったから電話してきたとの事。
電話をしなからやけに自分の体が冷たい事に気付き体温を計ると34℃丁度
従姉妹からの電話が無ければ私はほんとに三途の川を渡っていたかもしれません。
そして、今三十代後半を転がり落ちる私は今日を迎えるまでに三途の川らしき場所に行くこと3回。毎回景色や場所は違うものの共通してるのは音も気温もない事かな?
作者退会会員
自業自得とは私のためにある言葉のようだ。
と、反省の毎日です。
皆さんも過ぎる、事には気を付けて…
面白く無い話ですみません。