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中編3
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友の引越し

小学校からの付き合いで、いつも暇があったら一緒に馬鹿やってた友達が

引越しをするというので、酒を奢らせる条件で引越しを手伝いました。

引越し自体は無事に終了、元々必要最低限の身の回りの物で生活してる奴なので

そんなに時間はかかりませんでした。俺としては軽い仕事で酒奢ってもらえてラッキィ

とか考えてましたね。

備え付けの家具がある引越し先だったので、机とマットレスの下に引き出があるベッド、

後キッチン用具等も最初から揃っていました。なので特に模様替え等もせずにそのまま

荷物を解き、友達とすぐ飲み会になりました。

ある程度酔っ払って俺は家に帰り友達もその日はそのままロクにベッドにも上がらず

床で寝てました。

後日の事、お互い暇な大学生、いつも通りなスロットぼろ負けの帰り道で友達に愚痴をこぼしていると

友達が引越しの日から疲れが取れないと言ってきます。いっつも肩のこる体勢でゲームしたり

酒飲んだりで夜更かし上等な奴なのでまったく気にしていませんでした。

むしろ今更何言ってんの?とか思ってました。

ただ、そういう事を口に出して言う奴でもなかったので、

俺も何となく会うたびにそれとなく友達の様子を伺う様にしました。

ほぼ毎日一緒に遊んでたので最初は全然友達の変化に気づいてやれなかったんです、

でも1~2週間が過ぎた位から明らかに疲れた顔を常にするようになり、冗談をかましても

全然いつもみたいにハジけないので、さすがに少し心配になり友達の部屋で酒を飲みながら

探りを入れる事にしました。

程よく酒が回った頃に探ろうと思ったんですけど、俺自身酔っ払ってカナリ面倒臭くなってまして

「最近暗ぇけどさ、もしかしてフラれた?ってか俺に言えよ?」と訳の分らない質問から入り

内心自分でも「何言ってんだ俺?」と戸惑っていたら、

友達が「てか、家にいて気持ち悪ぃ、ホラーとかもマジ一人で見る気にならん」

と言ってきました。

ホラー系の物は、ゲームでも映画でもネットだろうが普通に怖がらずに一人でガンガン見るそいつが

そんな事言い出してきたので、さすがに真剣に話聞く必要があるなと思い、色々話を聞いていると

心霊現象にあってるかもしれないとの事。少し笑いを堪えてたのですが結構真剣に話すので

「じゃぁ模様替えするぞ、こんな引越ししたまんまの部屋で生活してっから勘違いすんだアホ」って

感じで諭し、深夜に野郎二人で模様替えをする事になりました。

酔っていた事もありグダグダに模様替えしてましたが、どうしても無意味に部屋の中心にある

ベッドをずらさないと部屋の雰囲気が変わらないという結論に達し、

俺が枕の方、友達が足の方を持ち「せーの!」でベッドを横にずらしました。

そしてベッドをずらした瞬間二人してまさに絶句「・・・・・・」

ベッドの下一面にびっしり轢かれた御札の列、B5用紙よりも少し縦長な札に色んな絵というか

字というか、といった札が貼り付けてありました。もう何と言うか背筋がゾクゾクではなく

見た瞬間にビリリ!って硬直する感じになり最初は全然理解出来ませんでした。

頭で理解する前に体が拒否反応したと言う表現が正しい感じがします。

だんだん二人の頭が今起こっている事象を理解してきた時に、改めて恐くなり悲鳴こそ出しませんでしたが

財布と携帯とタバコだけ鷲掴みにして無言で、でもお互いの位置は目で確認しながら家を出ました。

靴を履く時など心臓の音がリアルに聞こえてました。

「あぁああー!紐うぜぇえええええ!」っての覚えてます

案の定後ろでイライラした友達の顔が見えました。

後はもう、人の多い所に出た瞬間に大騒ぎ。周りの目を気にせずに騒いでいました。

もちろん後日二人で不動産に喧嘩売りに行ったのですが、向こうもこの物件を何回か

紹介した後のようで頭のいい事ならべて俺たちは言葉負けして二人で「ムググ・・」となったのは

良い思い出です。皆さんも引越しの際は気をつけて下さいね。

長文読んで頂き有難う御座いました。

有名な話を自分なりによりリアルに出来ればとアレンジした作品です。

私の処女作なので是非感想聞かせて下さい。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名2号さん  

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