これは、二年前の夏も終わろうとしていた時の事です。
私は、実家にある旧家の二階に一人で暮らしているので、夜中に仕事から帰ると使用していない一階の広い畳の部屋は真っ暗闇。
自分の家でも二階に行く時は、携帯電話の光を懐中電灯代わりに付けて廊下を進むほどです。
そんな状況なので、玄関と廊下に人感センサーの電灯を付けました。
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家に帰り入口の引き戸を開けると玄関の電灯がつき、足元に鏡が落ちているのが見えました。
壁に掛けてあった大きめの姿見です。
疲れていたのもあって、その時は明日片付けるかと思いながら、すぐに寝てしまいました。
翌日、鏡の掛かっていた壁を見て改めて驚きました。
昔ながらの土壁に釘で頑丈に打ち付けてあったのです。数ヶ月前にあったあの巨大な地震でもびくともしない位。
大の大人がぶらさがりでもしない限りあんな状態にはならない・・・。
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それから二日後。
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夜中にトイレに行くため、携帯を懐中電灯代わりに付け一階の奥にあるトイレに向かいました。
便座に座り、携帯のゲームを始めました。
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しばらくゲームに熱中していたら、目の前にある扉が
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ドンッ!!
shake
ん⁈
明らかに目線の高さの位置を人が叩いた音がしました。
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とっさに、鍵を掛け頭の中を整理しました。
親がトイレの電気が付きっぱなしなのを見て、中で寝てるんじゃないかと起こしにきたんじゃないか?
そういえば小さい時に夢遊病で、気づいたら台所やトイレで寝ていたと聞いた事がある。
いや、誰かが来たのなら玄関や廊下のセンサーが反応して電灯がつくはず。
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そっと扉を開けると暗闇だけが広がっていました。
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それから数日後、
子供の頃からお世話になっていた親戚のおばあちゃんが亡くなりました。
もしかしたらあの不思議な出来事は、最期に何かを伝えにきていたのかもしれません。
作者ko-1
これは、実際にあった不思議な体験談です。