私の友達、A君はかくれんぼがとても上手です。
上手というよりはやり方が卑怯で
鬼のA君は、人を見つける時「もういいかい?」といいながら探します。
すると隠れる側としては「もういいよー。」と言ってしまいます。
その「もういいよー。」と声をする所に行き、また分からなくなると 「もういいかい?」を繰返し、見つける。というやり方でした。
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小学校6年生の頃。日の暮れ時でした。
近所に壊されずに残った病院があり、「肝試しを兼ねて、かくれんぼしようぜ。」
とA君は言います。
幽霊を一度も見たことがない私たちは、喜んで賛成し、病院に向かいました。
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病院は意外や広く、みんな大はしゃぎ。
A君は「俺が最初、鬼になるから。皆はかくれろー!」と言いました。
この頃の私たちはまだ小さいですし、A君の見つけ方を理解してません。
なので、友達は「お前が鬼になると、すぐに見つかっちゃうんだよねー」や
「どんな感じで探してるのか教えて!」と言います。
しかし、私と、私の親友であるY子さんはA君の見つけ方を理解してました。
なので、私とY子さんは一緒に隠れることにし、「もういいかい?」と声がしても返事をしないことにしました。
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そしてみんな隠れて、A君が隠れた友達を探します。
案の定、「もういいかい?」と聞こえてきます。
すると誰かが「もういいよー。」と言ってしまいました。
私とY子さんは「バカだなーwww」と静かに笑いながら隠れてました。
すると近くで「もういいかい?」と聞こえてきました。
「あ、ヤバイ!」と思い、息を殺しました。
しかし、足音が近づいてきます。
そして、A君が顔を出し、「みーつっけた!」と言われました。
私とY子さんは不思議がって、「あれ?声は出してないよね?なんでわかったの?」
と言うとA君は言いました。
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「え?声なら聞こえたよ。」
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