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短編2
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天気が良いのに傘を差している人が居た。

空を見上げると眩しい位の太陽、雨なんか降っていない。

日傘かな?って思ったけど、明らかな雨傘。

鮮やかな青い傘。

違和感丸出しなのに誰も気がつかない。

(幽霊かな?)

危害を加えそうな雰囲気は無かったので、話しかけてみた。

(誰か待ってるの?)

顔は傘で見えない。

傘が青いせいか、傘を握る手が異様に蒼く見えた。

《・・・・・。》

何か話してる。

上手く聞き取れない。

《・・・・・。》

??

少し近づいてみた。

《あなたで3人目。》

(・・え?・・・)

傘で見えなかった顔が半分見えた。

真っ青・・?

傘の青さで顔が青く見える。

青くて気味が悪い。

(死んでるの気づいてる?)

《知ってるわ。でも子供が・・・。》

指を指した。

道路の真ん中で

同じ青い傘を差した子供がいる。

あんなに目立つのに何で気がつかなかったのかな?

(何であの子はこっちに来ないの?)

《探し物をしていの。》

(探し物?)

《そう。探し物。》

(何を?)

《・・・・。》

誰かが裾を引っ張る。

後ろを振り返ると、腰位の高さに青い傘が見る。

〔おねいちゃん。〕

顔を上げた。

顔が・・・。

滅茶苦茶で、何処が口かさえ分からない。

その瞬間。

私は道路の真ん中に居た。

その後の記憶が無く、目が覚めたら病院のベットの上。

辛うじて目が動かせる。

・・・・?

横に誰か居る・・?

傘が見える。

青い青い傘。

ああ、このまま死ぬのかな?残念だな・・。まだやりたい事があったけどな・・。

〔おねいちゃん〕

(子供の声・・)

〔探し物見つけたよ〕

(良かったね・・。)

〔もう無くしちゃ駄目だよ〕

(・・・え?・・)

お母さんが教えてくれた。

私は轢き逃げに合っていた。

まだ日のある夕方近く、学校帰りに車に轢かれ、生死を彷徨っていたらしく、5日意識が戻らなかった。

轢かれた当初、私の左手が無く、五体不満足になる所だったが、救急車に病院へ搬送されベットに移された時

私の右手に左手が握られていたそうです。

搬送する前には確かに無かったはずなのに。

私が轢かれた場所は、

交通事故が何件かあり忌み嫌われる場所だった。

あの親子が何だったのか分からないが、

連れて行かれる・・って思ったのに、

助けてくれたんだって思った。

何であそこに居て、何で助けてくれたか分からないけど、

左手を見るたび思う。

有難う。

怖い話投稿:ホラーテラー カナリアさん  

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