以前心霊スポットへ行き、友人と口論になった事がある
そこそこ有名な廃ホテル、名をセリーヌ
外見からかなりキテる感じで入るのを躊躇ったが
好奇心が勝り内部にはいる事に
来客が多いのか内部はかなり荒れ果て、ラブバスや妊婦の落書きがあったり、ラブホテルだった面影は在れど酷いものだった
セリーヌは昔、経営不振に陥りホテルは営業停止
その後は入る者もなく廃屋へ
以後、面白おかしく訪れた若者達が幽霊を見たと騒ぎだし心霊スポット化
その他、居場所を無くしたホームレスがセリーヌの駐車場で焼け死ぬ事もあり
噂に拍車がかかり伝説に近い心霊スポットになった
そして今のセリーヌがある
かなり簡潔だが、
セリーヌの噂自体はかなり怖いモノがあったが、噂が尾ひれを引き何が本当か分からないのも事実
目で確かめればいいじゃんって事で、友人と現地視察
友人は、いつも心霊スポットへ一緒に行く幽霊が見えちゃうらしい友人
セリーヌへの道中、引き返したがっていたが、ゴネて説得
ホテルへ入り、見れる所を全部見て、帰ってきたが、この辺りから
何故か自分と友人の記憶が異なった
自分は一階を見たあと二階に上った記憶がある
が、友人は二階には行っていないと言う
自分は鮮明に思い出せるし友人と会話した事もしっかり覚えている
途中から二人の記憶が違う
友人
『確に階段らしいモノは見付けたけど、穴とか空いてたし、ゴミもあって行けそうにないから、もう見るとこ無いし車に引き返そうって。
お前も
(うん、わかった)
って言って一緒に戻ったじゃん!』
自分
『いや、階段上ったじゃん。確に散らかってたけど、
(行けるから行こうか)
って。お前が言い出したじゃんか?』
友人
『そんな事言ってない!』
自分
『いや、二階上がって事務所みたいなガランとした部屋見て、
(ここで何かあったな)
ってお前が言ったじゃん!
何か見えるのか?って聞いたら
(聞きたいか?)
って意味深に聞き返すから、いいやって…それで引き返して来たじゃん…』
友人
『俺は行ってない…』
暫く沈黙した
おかしい
友人の声を聞き間違える筈無いし、確かに自分は二階へ上がった
だが友人は行っていない
じゃあ自分は友人は
一体誰と居たんだ?
自問自答の様な状態
友人
『なぁ…』
自分
『へ?何?』
友人
『お前、二階へ言った時、俺の顔見たか?』
自分
『いや…暗かったし…』
少しおかしい事に気が付いた
友人
『さっきから俺も考えてるけど、顔どころか…』
姿さえ見ていない
そして互いに持っていた懐中電灯の明かりさえ
友人
『気が付かなかったの初めてだ…』
自分
『おぉ…』
友人
『あのホテル、色んな奴が出入りしたせいか分からんが、いるヤツが無茶苦茶多いぞ。入った瞬間全身鳥肌立つし、怖くてパニクってたしな…だから分からなかったのかな〜』
自分
『そうか…』
自分が誰と一緒に居たかも気になっていたが、
一階と二階に分かれてその後、どうやって自分と友人は合流したんだ?
今横で運転してる奴は本当に友人なのか…?
友人
『今お前の考えてる事分かるぞ』
ドキッとした
友人
『…』
生きていて一番ドキドキしたかもしれない。
もし目の前の友人が偽物で幽霊だったら…
友人
『残念だが俺は俺だ』
友人は煙草に手を伸ばし、吸い始めた
自分も煙草を吸った
友人
『お互い無事で良かった』
色々疑問に思う所もあったが考えるのを止めた
確たる証拠も無かったが、何故か自分の横に居るのは自分の知っている友人だと思った
以上です
期待外れも良いとこですがその後は何もありませんでした
友人曰く無料のお化け屋敷だそうで…(意味わからん)
取り憑かれなかっただけ、ありがたく思えと言われました
心霊スポット巡りが少し懲りた一件でした
つまらない長文の上、駄文をお許しください
怖い話投稿:ホラーテラー 京介さん
作者怖話