うちの小学校も食べ終わるまで、昼休みでもずっと食べさせられてた
幸い私はアレルギーも好き嫌いもなく、全部食べられたのだけど、食べるのが異常に遅くて昼休みも食べていた(でも食意地張っていたので完食w)
私とは別に、もう一人昼休み組がいた。その子は給食で出る肉の脂身が全くダメで、いつも担任に怒られながら食べていた
昼休み組は、時間外なので自分たちで食器を給食室に返しに行かないといけない
ある日、やっぱりその子と二人で食べていて、ちょうど同じくらいに食べ終わったので
「一緒にお皿を返しに行こう」と誘うと彼女は「いやだ」と応えた
「あんたみたいな、知恵遅れと仲間だと思われたくない」
自分はポリシーがあって食べられないだけ、でもあんたは違うのだ、と
あんたは普通の子ができることを普通にできない存在なのだ、と
そういうと、彼女は一人行ってしまった
今年の正月、久々に帰省して近所の小さい神社に初詣に行ったら
赤んボを抱いた、若い女の人がいた…彼女だった
お互いいいオトナなので、当たり障りのない世間話を少しだけした
十年ぶりくらいだねとか、結婚して子どもを産んだんよ、とか
別れ際、
「お産の時、時間がかかりすぎてこの子危なかったん。医者に、もしかしたらちょっと障害出るかもって言われたから、念のため神頼み中なんよ」
と言って、朗らかに笑った
きっと彼女はあの時の言葉を覚えていないと思う
私はあの日の献立の、大豆と豚肉(7割脂身)のケチャップ煮の味を思い出した
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話