中編3
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廃ホテル

ある廃ホテルでの話

元々は観光客目当ての立派なホテルで、

近くには綺麗な湖や立派なレストランや売店、小さいながらもスキー場もあり、中々好条件の立地にも関わらず

ホテルは閉鎖しそのまま廃屋へ

(バブル崩壊の影響か)

その地域に住む友人に廃ホテルに纏わる怖い話を聞き、その友人と実際行ってみた

この廃ホテルの怖い話というのが、

営業当時、何階か(不明)で火事があり一組の家族逃げ遅れ焼死

事件が落ち着いた頃、ホテルは焼けた階の改装に取り掛かる

だがある一室だけ壁紙を張り直したが、焦げたようなシミが浮き出る部屋があった

何度張り替えしても染みは出て、気味が悪くその部屋は使用禁止にした

が、数日後にはその火事があった階全てを使用禁止にする事になった

火事があった後にも関わらず来客は多く、部屋はいくらあっても足りなかった時

火事のあった階の改装も終わり使用禁止の部屋以外使用することになり、

火事があったというにも関わらず、部屋はあっという間に満室になった

だが異変はすぐ起きた

その異変の起きた夜、

使用禁止の部屋の隣の部屋に限らず、その火事があった階全てから苦情が立て続けに来た

『隣が物凄い勢いで壁を叩くから注意してくれ』

『ドアを叩くヤツがいる

何かあったのか?』

『叫び声が聞こえた』

『廊下を走る音がうるさい』

など、その火事のあった階から次々苦情がきた

スタッフは急ぎ問題の階へ

だがその階に着くも、

シィンと静まり返っている

スタッフは一応と思い、

一室一室ノックをしお客様を待つも、

深夜の為かどの部屋も出て来ない

あの剣幕に苦情が来たにも関わらず、どういう事かと思った時

ふとノックしていない

一室に目が行く

使用禁止の部屋

誰もいるはず無いが、

一応…

と思い

使用禁止の部屋をノック

コン、コン、コン…

バンッ バンッ

バンッバンッバンッバンッバンッバンッバンッ

物凄い勢いで部屋の中から叩く音

何が何だか解らず、立ち尽くしていると

『出して』

『苦しい』

『開けて』

『助けて』

『ここにいるんだ』

『誰か』

『早く』

『助けて』

声が聞こえる

使用禁止の部屋から

火事で不幸が起きた部屋から

スタッフは逃げるように戻り、他のスタッフに一部始終を話すも半信半疑

だが次の日も次の日も

同じ苦情は来て、慌てて行くも静まり返っている

気味が悪いのと嫌なレッテルを逃れる為か、階自体閉鎖へ

だが、苦情はまた来る

今度は閉鎖した階の上と下の階から

『下の階が』

『上の階が』

『うるさいんだ』

程なくして、ホテルは経営が苦しくなり閉鎖

そのまま廃屋になってしまった

このホテルへ行ってみたが、この話自体かなり古いモノらしく、廃ホテルの荒廃は凄まじかった

人の手が全く入っていない為か草木が入り乱れ、入口は打ち付けられ入るのも困難

何とか入れそうな所から入るも鉄骨や崩れた壁が散らかるだけで

ただ崩れるのを待つ廃屋があるだけだった

もしまだ、あの廃屋に亡くなってしまった家族がまだ幽霊としているなら

ずっと助けを求めているんだろうか

今度は霊が見えるらしい友人と行きたいと思う

後書きというわけではありませんが…

以前の投稿で、ある事件の真相を確かめないまま軽率に間違った文章を載せ、不快を感じさせてしまった方がいた為、

今後はトラブルを避けるのも在りますが、地域名等は伏せさせて頂きます。

今回の様に確認しようにも確かめられない様な噂もあるので

この場を借りて

本当にすいませんでした

もう何話かお話させて頂きたいので宜しくお願いします

変わらず長文、駄文をお許しください

怖い話投稿:ホラーテラー 京介さん  

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