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中編3
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隣の空き家

心霊スポットではないですが、隣の空き家には幽霊が住んでいると思います。

僕が小さい頃は隣には、お爺ちゃんとお婆ちゃんが住んでいて、

お爺ちゃんは何か気難しい人で、お婆ちゃんは優しい人だった記憶があります。

僕が小学校低学年の時、お爺ちゃんが亡くなって、暫くお婆ちゃんが一人で住んで居たけど、

ボケちゃったらしくて老人ホームに行ってしまって、それっきり帰って来ませんでした。

それからずっと空き家になっていました。

ある日僕が夜、塾の帰りに何気無く隣を見たらボンヤリ明かりが見えました。

家に帰って父さんと母さんに話したら、嘘だって言われたけど家から隣を見たら、確かにボンヤリ明かりが見えました。

父さんが空き巣かもしれないから見てくると言い出して、お母さんは隣の家の門まで付いて行って、そこから中へは父さん一人で懐中電灯とゴルフクラブを持って入って行きました。

僕は家で隣が見える部屋に行き、カーテンを開けたら

隣の塀越しに、

お爺ちゃんが居て、

こっちを見ていました。

僕の家と隣の空き家の境は低い塀があるだけで、大人が立てば胸から上がばっちり見えます。

ビックリして固まっていたら、お爺ちゃんの真後ろを大声を出しながら父さんが通りすぎました。

「誰かいますかー?」

父さんには見えてないのか?って思ったら凄い怖くなって

勢いよくカーテンを閉めると同時に電話がなりました。

部屋にいたくなかったので、僕は慌てて電話へ走りました。

ガチャッ

僕「もしもし?」

……?

何も答えてくれません。

僕「あの、もしもし?」

「隣だがうるさいから出てってくれないか」

お爺ちゃんだ。

この声きっと隣のお爺ちゃんだ!

受話器を落として、裸足で父さんと母さんの所へ行きました。

怖くて泣いてしまって、泣きながら家であったことを話そうとしたんですが、

上手く言葉が出なくて

お爺ちゃんが…お爺ちゃんが…しか言えませんでした。

三人で家に戻って隣を見たけど隣は真っ暗で、結局ボンヤリ光ってたのは、僕の家の明かりが隣の窓に反射してたで片づけられてしまいました。

僕が落ち着いた頃、お爺ちゃんが居た話をしたけど、笑い飛ばされて相手にされませんでした。

次の日、母さんが夕方過ぎに黒い服を着て出かけていきました。

老人ホームへ行ったっきり帰って来なかったお婆ちゃんが亡くなった知らせが入ったそうで、行ってくると言って母さんは近所の人達と出かけました。

僕なりに思いました。

もしかして、お爺ちゃんはお婆ちゃんを迎えに来たのかなって。

それでお婆ちゃんを家に迎える為に明かりを付けてお爺ちゃんは待ってたのかなって思いました。

隣の空き家のボンヤリした明かりは未だに見ることがあります。

目の錯覚かもしれないけど。

庭の草はボーボーだし、窓から見える障子はビリビリで人なんか明らかに住んでいないけど、

幽霊になったお爺ちゃんとお婆ちゃんがまたそこで仲良く暮らしてるんだって僕は思います。

長くなっちゃってすいません。ここまで読んでくれてありがとうございました。

怖い話投稿:ホラーテラー もう中学生さん  

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