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短編2
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友達の奥さん

友達の奥さんは怖い人です。暴力的な意味ではなく。

初対面の時、いきなり近付いて来て右肩を払われました。

フケでも付いてたか(恥)と思ったんですが、

ポツリと、

「手が乗っかってたから、払っておいたよ」

そう言われました。

ちょっと電波受信気味?って思い友達に

(どういうこと?)って聞いたら、

「手が乗ってたって言ってたじゃん」

って疑う訳でもなく変な顔する訳でもなく、サラリと返され背筋が寒くなったのを覚えています。

ある日、

まだその夫婦が住むアパートへ行ったことが無かったので、訪ねて行きました。

和やかに会話して一時間経った辺りで、

奥さんが、今まさに旦那と住んでるアパートの怖い話をしはじめました。

「明け方に目が覚めて、喉が渇いたから水を飲みに行こうと体を起こしたら、どこからかベチャベチャ音がしたの。

耳を澄ますと音はカーテンの閉まってる出窓から。

開けちゃいけないなって思ったけど、気になるからカーテンの下の隙間から覗いたの。

知らないおじさんの顔が張り付いてたわ。」

友人宅は3階。音が聞こえた部屋の窓は、出窓でもちろんベランダは無い…。

作りでも気持ち悪い話だな…って思ってたら、

「まだ続きがあるわ。」

と奥さん。

「毎晩うちの外を歩き回っているの。」

ここ3階ですよ?

ってツッコミたかったが…茶化すのも悪いと思って黙って聞いてました。

「昼間でも見掛けた事があったわ。掃除とかの途中、視線感じて窓を見ると

顔が潰れる位ベッタリ顔を張り付かせていたわ。

夜は大抵コツコツ歩く音が近付いたり遠のいたり。

きっと部屋に入るチャンスを窺ってるのね。

入られればきっと良くない事が起きると思うわ。」

かなり引きました。

言葉が浮かばなくて、友達に本当かと尋ねたら、

「俺は見てないけど、窓にぶつかる音聞いちゃったしな。」

思わぬ言葉でした。

嘘だろ…?と思う反面事実なら見てみたい!って思い、今日は頼んで泊めて貰おうかと思ってたら、

「だから今日は…というか、暫くここに来るのはやめた方がいいわよ。」

まさかの来るな発言に、

「あなた引き憑けやすい体質みたいだから。」

と言われ、また右肩を払われてニコッと微笑まれました。

友達と奥さんは、アパートの外まで見送ってくれ

僕はそのまま自分のアパートに帰りました。

奥さんに嫌われてるのかな…って思いましたが、

向こうから電話が入り、今日の埋め合わせしたいから今度は3人都合合わせて外で会おうって

奥さんが電話してきてくれました。

良妻…何て思いましたが、どこか怖い友達の奥さん。

そのあと、窓のおじさんがどうなったか教えてくれませんが、

まだ友達のアパートへは出禁状態です。

でも友達と奥さんとは良い付き合いをさせてもらってます。

うまくまとめられず、オチもなく長々すいませんでした。

怖い話投稿:ホラーテラー 村上さん  

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