友達の奥さんは怖い人です。暴力的な意味ではなく。
初対面の時、いきなり近付いて来て右肩を払われました。
フケでも付いてたか(恥)と思ったんですが、
ポツリと、
「手が乗っかってたから、払っておいたよ」
そう言われました。
ちょっと電波受信気味?って思い友達に
(どういうこと?)って聞いたら、
「手が乗ってたって言ってたじゃん」
って疑う訳でもなく変な顔する訳でもなく、サラリと返され背筋が寒くなったのを覚えています。
ある日、
まだその夫婦が住むアパートへ行ったことが無かったので、訪ねて行きました。
和やかに会話して一時間経った辺りで、
奥さんが、今まさに旦那と住んでるアパートの怖い話をしはじめました。
「明け方に目が覚めて、喉が渇いたから水を飲みに行こうと体を起こしたら、どこからかベチャベチャ音がしたの。
耳を澄ますと音はカーテンの閉まってる出窓から。
開けちゃいけないなって思ったけど、気になるからカーテンの下の隙間から覗いたの。
知らないおじさんの顔が張り付いてたわ。」
友人宅は3階。音が聞こえた部屋の窓は、出窓でもちろんベランダは無い…。
作りでも気持ち悪い話だな…って思ってたら、
「まだ続きがあるわ。」
と奥さん。
「毎晩うちの外を歩き回っているの。」
ここ3階ですよ?
ってツッコミたかったが…茶化すのも悪いと思って黙って聞いてました。
「昼間でも見掛けた事があったわ。掃除とかの途中、視線感じて窓を見ると
顔が潰れる位ベッタリ顔を張り付かせていたわ。
夜は大抵コツコツ歩く音が近付いたり遠のいたり。
きっと部屋に入るチャンスを窺ってるのね。
入られればきっと良くない事が起きると思うわ。」
かなり引きました。
言葉が浮かばなくて、友達に本当かと尋ねたら、
「俺は見てないけど、窓にぶつかる音聞いちゃったしな。」
思わぬ言葉でした。
嘘だろ…?と思う反面事実なら見てみたい!って思い、今日は頼んで泊めて貰おうかと思ってたら、
「だから今日は…というか、暫くここに来るのはやめた方がいいわよ。」
まさかの来るな発言に、
「あなた引き憑けやすい体質みたいだから。」
と言われ、また右肩を払われてニコッと微笑まれました。
友達と奥さんは、アパートの外まで見送ってくれ
僕はそのまま自分のアパートに帰りました。
奥さんに嫌われてるのかな…って思いましたが、
向こうから電話が入り、今日の埋め合わせしたいから今度は3人都合合わせて外で会おうって
奥さんが電話してきてくれました。
良妻…何て思いましたが、どこか怖い友達の奥さん。
そのあと、窓のおじさんがどうなったか教えてくれませんが、
まだ友達のアパートへは出禁状態です。
でも友達と奥さんとは良い付き合いをさせてもらってます。
うまくまとめられず、オチもなく長々すいませんでした。
怖い話投稿:ホラーテラー 村上さん
作者怖話