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大学3年の春僕はアパートに越してきた。
家具は一通りあったが、棚や衣類を入れるケースが欲しかったので
先輩に車を出してもらい、リサイクルショップに行った。
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全国チェーンのリサイクルショップに着き
家具を物色していると、陳列された棚に電動のシュレッダーが置いてあった。
「動作確認済み」
と書かれたシールが貼ってあり、見た目は少し汚れていたものの、まだだいぶ使えそうだった。
今思えば何で買ったのかわからないが
他にも組み立て式の収納棚やラックなどを買うと、先輩の車に詰め込み帰った。
その後何日後だったか、書き損じをした書類を、ここぞとばかりにあの時買った電動シュレッダーにかけた。
鈍い音を立てながら紙を飲み込むと、細かく切れて落ちるはずの紙が、一部だけそのまま切れずに残っていた。
「あれ?」
僕はもう一度別の紙をシュレッダーにかけたが、また一部だけそのまま切れずに残っていた。
「なんか詰まってるな」
シュレッダーの蓋を開け回転刃をよく見ると、何か細かいものが詰まっているようだった。
マイナスドライバーでつつき出すとそれは
長細く黄ばんだプラスチックのようなもので、よく見ると切り刻まれた紙と同じ形をしており
何か硬いものを、誤ってシュレッダーにかけてしまったようだった。
もう一度紙をシュレッダーにかけたが、まだ詰まっているようで、僕はまた蓋を開けドライバーでつつき始めた。
「チッ…めんどくせぇ…」
とぶつくさ文句を言いながら掃除をすると
かなりの量のプラスチックが詰まっていた。
「なに詰まらせたんだろう」
長細く切れたものや、細かく砕けたものなど様々な形だったが
指で曲げられる程柔らかく、厚さも1mmもなかった。
途中、ぽろりと小指の先ほどの大きな塊が落ちた。細かく砕けていたものと同じものなのだろう。
僕はそれをつまみ上げ、なんだろうか?と電気に透かした。
その瞬間、僕は気付いて欠片を床に落とた。
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「これ…人の爪だ…」
作者空白