小学生のときのこと。
通学路の途中に、一人暮らしのおじいさんが住んでいる平屋があった。
うちのおじいちゃんと仲が良くて、土日はよく一緒にゲートボールに出掛けていた。
終業式の前日、嫌な夢を見た。
あのおじいさんが、廊下に倒れて、苦しい…助けて…
と、もがいている。
私はすぐそばで見ているのに、全然手が届かなくて、声も出なかった。
おじいさんが死んじゃう!!
すぐそばにいるのに何も出来なくて、怖くて大泣きしていた。
ふと夢から覚めると、まだ真夜中。私は泣いていた。夢か現実か曖昧なまま、また眠りについた。
終業式の朝、あのおじいさんの家の前を通ったけど、何も変わったことはなさそうで、とりあえず安心して学校に行った。
帰りにはその事も忘れ、あのおじいさんの家の近くまで行くと、人がいっぱいいた。
うちのおじいちゃんもおばあちゃんも、近所の知っている人が何人もいた。
走っておじいちゃんのとこに行くと、「太田のおじいちゃんが亡くなって、みんなさっきまで気が付かなかったんだよ。残念だ。悲しいよ。」と言われた。
後で、母に聞くと、亡くなったのは私があの夢を見た頃だった。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話