戦後しばらくたった頃、山梨県のある農村での話。
村で一番の旧家の跡取り息子が突然失踪した。
山狩りをしても池を浚っても見つからない。
金か女のトラブルか
と思い、人を雇って調べさせたがまったく手掛かりがない。
ひと月もたった頃
夜中に屋敷の床下から叫び声がする。
家の者が庭に出て見ると、失踪した息子が
縁の下から転がり出てきた。
錯乱した状態で「女房が、子供が」と叫びながら
床下を指さす。
懐中電灯を当ててみるとそこには狐の親子が、
親狐は牙を剥いてこちらを威嚇すると、子狐たちをつれて逃げ去った。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話