短編2
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既読無視

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去年の夏の終わり頃の話。

いつもの大学の帰り道、俺は彼女と普段通り何気ない会話をしながら帰っていた。

俺「U(彼女の名前をUとする)ってさいつも既読無視するやんな。なんでなん」

U「打つのめんどくさいし電話で話せばいいやろ」

と若干嫌な顔をした。

Uはいつも既読無視するのである。

かといって、そのまま無視するのではなくて時間が空いてから必ず電話がかかってきてそこで必要なことを話す。

正直、俺は電話の方がめんどくさかった。

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そんなある日二人のバイトの休みが重なったのでデートに行くことにした。

いつも通りメッセージを送っても既読無視からの電話だ。

俺「どうしたん?遅ない?もう待ち合わせ時間過ぎてるで!はよきてな!」

「可愛い服選んでたんや!!(笑)ちょっとくらいまちーや!すぐ行くから!」

…その電話から1時間2時間3時間経っても来ない。

「大丈夫?なんかあったん?俺がそっち行くで?」とメッセージを送っても既読すらつかなかった。

すると電話が着た。

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でも、Uからじゃない、Uの母だ。

Uの母「アキト(仮)くん!?Uが事故にあったの!すぐ○○病院まで来て!!」

突然過ぎて言葉が出なかった。

俺は全力で走って病院まで行った。

「U!!!U!大丈夫なんか!!」

ベットで横たわってるUの元に駆け寄った。

music:5

そこにはもういつもの様に言い返してくるUはいなかった。

トラックに撥ねられて即死だったそうだ。

頭が真っ白になった、俺のせいや。俺が急かしたからや…が頭の中をぐるぐると回り続けていた。

俺は一晩中動かなくなったUの隣で謝り続けた。

何時間泣きじゃくりながら謝ったか分からない。

sound:32

携帯が鳴った。

「アキト?…ごめんな。行かれへんくて…もう当分会えそうにないわぁ…でも私待ってるから!そんな悲しい顔せんといて…アキトのことずっと想ってるから」

「U!?おい!!u…」

ハっと目が覚めた。

「夢…。クソ!!!!クソクソクソ!!なんでやねん!なんで夢やねん!!」

まだ泣きながら叫んだ。

ふと、ずっと開いたままだったUとのトーク画面を見た。

そこには既読の文字があった。

「既読無視…。」

涙を拭き取りそっと目の前のUを抱き締めた。

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SANTAさんコメントありがとうございます!
怖い話を作るのが苦手ですので主旨とはズレましたが悲しい話になりました。苦笑

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悲しい話ですね。。。

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