昔、あるテレビ番組でやっていた怖い話をアレンジしました。
丸一日飲まず食わずの男が、ふらふらと森の中を歩いていると、真っ黒な占い小屋を見つけました。中には魔女のような格好をした老婆が1人。
男「食い物でも水でもいいから早くよこせ!」
老婆「ここに、水がある。でも無一文のお前には、こんな高価な水は売れないね。」
男「くそっ!タダじゃねえのか。フン、まぁいい!」
男は老婆を蹴り飛ばし、水を奪いました。
老婆「お・・・お前!!そんなことが許されるとでも思っているのか!」
男「うるせーな!こっちは喉がカラカラなんだよ!」
男は老婆の言葉を無視し、森の中を進み、なんとか自宅へ帰ることができました。
小さな小瓶に入った水
男はそれを飲み始めました。
「ゴクゴクゴク…」
ん?
…
水が減らない?
男は半信半疑になりながら風呂場へ行きました。
水が一滴も入っていない浴槽の中に、老婆から奪い取った水を注ぎます。
「ドプドプドプ…」
浴槽が水でいっぱいになりました。今にも溢れ出しそうです。
それでも小瓶の中の水はなくなりません。
「こ、これは凄い!!」
男は飛び上がって喜びました。
「俺は一生水に困らないぜ・・・!」
そういいながら小瓶の水を一気に飲みました。
そんなある日、強盗が男の部屋に侵入し、ナイフで男をめった刺しにしました。
しかし、男は死にません。
それから50年…100年経っても男は死にません。
そして地球には植物も動物もいなくなりました。
男は、死にたくなって首を吊っても溺れても死にません。
小瓶の水は老婆から奪い取った時のまま。
男は決して死にませんでした。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話