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短編2
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ガサガサ…

小学生の頃、母は父に嫌気がさして家を出ていった

父はあまり家には帰らず愛人の家で暮らすようになって

それでもあまり寂しくはなかったです

二人の姉が両親の代わりにいっぱい僕の面倒を見てくれたから

ただ…たまに二人共バイトや友達と遊んだりする事があって寂しい夜を過ごす事もありました

そんなある日

夕方、二階にある自分の部屋から一階のリビングに降りて行きました

入って左側にキッチン、テーブル、冷蔵庫

奥にコタツがある

コタツから愛犬が顔を出してハァハァ と呼吸を乱している

いつもの風景だ

ただその日、一つ違和感を覚えた

それはコタツの上に【マネキン】が置いてあった事

まぁ、大した事ではなかった

ウチの家系は美容師が多く、両親も美容関係の仕事で二人の姉も美容師免許を持ってる

【マネキン】も髪を切ったり、パーマの練習をするための普段見慣れたモノだった

ただ

これは今でも何て言ったらいいのか…

その時は何か『気持悪いな…』 と思ったんです

ショートカットの綺麗な【マネキン】でした…

ただ…嫌な感じがしました

こっちを見ているような…

そんな気がしたんです

だから、その日はコタツの上に置かれた【マネキン】を白いビニール袋の中に入れたんです

やっと視線は感じなくなり、僕はテーブルに着いてテレビを見始めました

二時間位経った頃でしょうか

音がする

ガサガサ…ガサ…

見るとコタツの中から犬が顔を出してハァハァと呼吸を乱す

(なんだ…)と思い、視線は再びテレビへ…

足元に犬が来る

震えてる?

音が聞こえる

ガサ…ガサガサガサガサガサガサガサガサ

コタツを見る

すると…

【マネキン】の入った白いビニール袋が激しく机をはいずり廻る

ガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサ

全身に鶏肌が立ち犬を抱え、全力で二階に逃げていきました

ブルブル震えながら犬を抱いて姉の帰りを待ちます

数時間後…姉が帰って来ました

先程起こった事を全て話します

すると…姉が怪訝そうな顔をして一言…

『あんた何持ってるの?』

……?

腕の中を見るとショートカットの【マネキン】が微笑を浮かべこっちを見つめていました…

僕の体験は以上です。

怖い話投稿:ホラーテラー K&kさん  

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