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長編9
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〈ビデオ通話〉その後

前回“ビデオ通話”というタイトルの話を書いたのですが、その後のお話です。

まだ読んでない方はそちらを読んでいただければと思います、、(サラっと読むだけでいいです)

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ずっと学校を休んでいたA子。

学校を欠席から丸1週間目の朝、何事も無かったかのように学校に登校してきました。

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一週間ぶりに見るA子は、少しやつれているように見えました。

しかし、どことなくいつもより表情が明るく見えるようにも思えました。

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わたしはすぐA子に駆け寄り、

A子!!どうしたん?大丈夫やった?連絡みた??

とA子の肩を掴みながら詰め寄りました。

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A子は少し困ったような顔をすると、

うん、大丈夫ありがとう。ごめんな連絡返されへんくて。

とだけ返事してきました。

思わずそれに対してわたしは、

なんかあったん??

ともう1度聞き返してしまいました。

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ほんまに体調崩してただけやで、こう見えても疲れ溜まってたみたい

と言ってはははとA子は笑っていました。

そっか、それならよかった!

とわたしは絶対“何か”のせいに違いないと考えながらA子に話を合わせました。

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話したくないこともあるだろう、もしかしたら本当に体調不良だったのかも?

と色んなことを授業中も考えながらその日1日があっという間に終わりました。

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ちなみにA子が休んでいた間の1週間、わたしはずっと“何か”の視線を日を追うごとに強く感じるようになりました。

はじめは家だけだったのですが、そのうち学校でも感じるようになりました。

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そのまま何事もなくA子が登校してくるようになって3日目のことでした。

授業中、わたしはいつもより強くめまいがするような嫌な空気に包まれました。

初めての体験でした。

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その瞬間からでした。

今まで“何か”の視線は感じたことがあるものの、正体を直接みたことはありませんでした、が、

教室の扉についてる細長い窓みたいなガラスからジーッとこちらを見ている“何か”がいたのです。

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こわくて思わず席を立ってしまいそうになりましたが、すかさず目をそらして時計を見たり黒板をみて板書をしたり、

なるべく扉には意識を向けないように他のことに集中しようと努力しました。

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あの目は一生頭から離れません。

以前、ビデオ通話の画面越しで見たような

真っ黒な顔に切れ目を入れたような細い白目とは違いました。

扉から見ていたのは、真っ赤な顔に細長く黒目のない白目だけの目。

そしてその目は今にも縦を向きそうなほどつり上がっていました。

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以前見たものとは全く違うようにも思いましたが、雰囲気?とゆっていいのかはわかりませんが、以前の“何か”と同じものだとなんとなく分かりました。

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どれくらい扉から意識をそらしていたのか、チャイムが鳴り、お昼休みになりました。

おそるおそる扉に目をやると“アレ”はいませんでした。

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そのまま“アレ”は姿を現すことはなく、放課後になりました。

放課後、A子に思い切って全部打ち明けてみようとも思ったのですが、

なぜかその日はそんな気分になれず、

そのまま家へ帰りました。

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扉の窓の隙間から見ていた顔は、

とてもおぞましい、とゆうより禍々しかったです。

わたしを恨んでいるのかとゆうほど睨んでいるようにも見えました。

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家につき、おそるおそるお風呂に入りましたが、特に何も無かったです。

相変わらず視線は感じながらでしたが、、

そのまま何事もなく1日がおわり、ベッドに入り、寝ようとして目を閉じた瞬間でした。

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自分の部屋の中のどこからか(部屋の隅らへん?)わかりませんが、

突然、「あーーーーーーーーーーー」

と野太い男の人の声がしました。

声を荒らげるわけでもなく、ただ無心であーと言っているだけのような声でした。

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わたしは飛び起き、さすがに怖くなり咄嗟に母のいるリビングへ階段をかけおりました。

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母は駆け下りてきたわたしに驚いて、どしたん?と聞いてきました。

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わたしは何から説明してよいのか、まず信じてもらえる気がしなくて、ただ一言、

今日はなんとなく怖いから一緒に寝ようと言いました。

初めは気味悪がっていた母でしたが渋々寝てくれました。

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ただ、1人じゃないから大丈夫と思っていたのも束の間、

おやすみ、と言い寝ようと目をつぶった瞬間、「あーーーーーーーー」

とまた聞こえはじめ、怖くて眠れなくて頭がおかしくなる寸前でした。

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するとだんだん、慣れは怖いもので、

声がするだけでなにもしてこないのではないか??と思い始めると、

その恐怖はイライラへと変わっていきました。

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イライラしながら目をつぶっていると、

どれくらいたったのか、いつの間にか眠りについていました。

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朝がきて目を開けて、声はなにも聞こえなくなっていました。

着替えを済ませ、リビングに降りて朝ごはんを食べるために席につきます。

わたしの座っている席は、窓に背を向けて座る感じで、前を向くとリビングと廊下をつなぐ扉が見えます。

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昨日のことをもんもんとしながらご飯を食べながらテレビをボーッとながめていると母が、

なにかあったん??

と聞いてきました。

んーん、なんでもない!

と答えわたしは残りのご飯を駆け込み、

ごちそうさまと言おうとした時、

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ふとリビングと廊下をつなぐ扉に目をやると、

少し開いた隙間から、真っ黒な顔に細長い白い目がのぞいていました。

わたしは、恐怖と同時に怒りがこみ上げてきました。

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なぜ、わたしなのか。

なぜ、こんなにもつきまとうのか。

そして昨日見た“アレ”とは違い、また元の黒い方に姿が戻っていました。

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イライラしながらも、少し恐怖はありつつ、見て見ぬ振りをしていればいつか消えるだろうと思い、何も無かったかのように振る舞い、学校へ行く準備をしていました。

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そうこうしてる間に“アレ”は居なくなっていて、いつもと変わらず学校へ行き、授業をうけ、家に帰り、ご飯を食べてお風呂に入って寝る。

そのままその日は1日なにもなく、“アレ”が姿を表すこともなく、終わったのでした。

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ベッドに入ってからも何もなく、不思議に思い、なんでだろう?と考えている間にいつの間にか眠ってしまっていました。

久しぶりにあんなにぐっすり眠れたような気がしました。

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次の日の朝もいつもと同じ席につき、ご飯を食べようとした時、

今度は扉の隙間から、赤い方の“アレ”

が覗いていたのです。

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その日も学校に行き、授業中のことでした。

ウトウト目をつぶった瞬間

「あーーーーーーーー」と、

隣の席の距離くらいから声が聞こえました。

あの声でした。

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わたしは思わず「ぅわっ」と声が出てしまい、

周りのクラスメイトがくすくす笑っていました。

周りを見てもなにもいませんでしたが、

確実にA子だけ笑わずに心配そうな悲しげな顔でわたしをみていました。

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その日の放課後、A子はわたしのところに近づいてきて、なにか話そうとしていました。

わたしはだいたい何のことか検討はついていました。

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A子は「だまっててごめん。すぐにお祓いに行ったほうがいい」

とだけ行ってきました。

わたしは「なにが?なんで?なんでこんなことになってるん?」

と聞きました。

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しばらく黙り込んだ後、A子が1週間休んでいた間のことを教えてくれました。

簡単にゆうと、わたしとおなじように、

はじめは黒い方だけ見えはじめ、そのうち赤い方が見えるようになって「あーーーー」という声が聞こえるようになってきたそうです。日を追うごとに赤い方が見える頻度は多くなったそうです。

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A子は精神的にも限界を感じ、両親に相談をして近くのお寺にお祓いに行ったそう。

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そして、その寺の住職?の方に全て話をすると、

じっとA子のことを見つめ、コクリと1度だけ頷いたそうです。

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住職の方の話によると、A子にはやはり霊が取り憑いていたみたいです。

ただ、その霊は俗に言う浮遊霊?のようなもので、うまく成仏できなかった人がイタズラ感覚で人にまとわりついて驚かしているそう。

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だから、住職の方はここの寺でなんとか対処ができると判断したそうです。

ただ、黒いのが見えてるうちは大丈夫なそうですが、赤い方の“アレ”が見えはじめて声が聞こえるようになると、ひどくなれば取り返しのつかないことになっていたそうです、、

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A子はすぐにお寺の中に連れられ、両親は離れたところから見守るようにとのことでした。

お祓いが終わるまでは喋ってはいけない。

とA子は言われたそうで、守っていたらしいのですが、後からの両親の話によると、うめき声のようなのを漏らしていたそうです。(A子は覚えてない)

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お祓いの最後に、住職の方が壺のような入れ物から水を口に含み、ブーっとA子に吹きかけてきたそうです。

思わずそれでA子は我に返ったようで、

住職の方からも、終わりましたお疲れ様でした。と言われ終わったそうです。

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案外、あっけなかったみたいです。

ただ、そこでA子は住職の方に全てを話したつもりでしたが、

わたしとビデオ通話をしていた時にわたしが黒い“アレ”に気付いていることを知りませんでした。

つまり、わたしの話はいっさいしていなかったのです。

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お祓いにいった日からA子は、世界が明るくなったように気分も楽になったと言っていました。

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わたしは家に帰り、A子の話も自分の話も全てを母に伝えました。

父には母から伝えてくれたそうで、少し早く父が仕事から帰ってきてくれて、

両親の車で、A子の行ったお寺へ向かいました。

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わたしは、1週間前くらいに来たA子のことを伝え、わたし自身のはなしも全てしました。

住職の方はすこし驚いたような顔をしていましたが、すぐにそのままお寺の中へ案内されました。

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そしてA子の時と方法は同じ、両親は遠くで見守り、畳の真ん中でわたしは正座をして目をつぶります。

その瞬間でした、また「あーーーーーーーー」と聞こえてきたのです。

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しかも、今度はもう耳に息がかかりそうなほど耳のそばで叫んでいました。

怖くてギュッと全身に力を入れると、住職の方は、

大丈夫です、絶対に声はださないでください。

とわたしに落ち着いた口調で話しました。

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お祓いが始まり、お経のようなものを唱えながら住職の方は私の周りをうろうろしています。

どれくらいたったのか分かりませんが、

しばらくすると耳元の声がだんだん遠のいて行くのがわかりました。

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そしてついに、“アレ”の声が完全に聞こえなくなったのです。

わたしは安堵して全身の力が抜けかけた時、

住職の方がわたしに口に含んだ水を勢いよくかけてきました。

すこし驚きましたが、これで本当に終わったのかと安心しました。

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本当になんだかあっけないようなものでした。

両親は深々と頭を下げ何度も何度もお礼を言っていました。

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そして少し落ち着いてから、詳しく話を聞きました。

まずそもそも何故わたしに“アレ”が取り憑いたのか、それは、

A子とのビデオ通話で目が合って認識されてしまったこと。

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そしてもうひとつは、A子はわたしが“アレ”の存在に気付いていると知らなかったので、わたしの話をしなかったことです。

そのことによって、A子のお祓いでは、本当に“アレ”を成仏させたのではなく、A子から離すことはできましたが、代わりに

わたしという逃げ道に“アレ”が逃げてきたということになりました。

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そうしてわたしに憑いて来たのだそうです。

今回こそはうまく成仏できたと住職の方も言われていたので安心です。

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今回の件について後日A子と話し合い、

わたしは、存在に気付いていたのに教えなかったこと、

A子は、心配をかけたくないからわたしに何も話さなかったこと、

お互いのことを謝り合いました。

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ちなみにわたしは霊感が無かったわけでもないですが、あんなにはっきり見えたのは初めてでした、、

A子は生まれて初めての体験だったらしく、精神的にかなり追い込まれていたようです。

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これで、このビデオ通話のお話の件は解決しました。

さいごまで読んでいただきありがとうございました。

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ちなみわたしの勝手な判断なのですが、

赤い方の“アレ”が見えた日は目をつぶっているときだけ「あーーーーーーーー」と声が聞こえて、

黒い方が見えた日は、比較的なにもなく声も聞こえることがなかったように思いました。

理由はわかりませんが、、

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どちらも読んでいただきありがとうございます(*^^*)
そうなんです、ある程度のことなら怖いと思わない性格なのですが今回は初めての体験でしたね、、、(笑)
本当によかったです、ありがとうございます!!

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本当によかったです、、
ありがとうございます(*^^*)

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考えていたよりも深刻な事態になっていたのですね…
でも解決できて、本当に良かったです!安心いたしました(≧▽≦)

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