俺「おっすおっす、久しぶり。」
鈴木「…おっすおっす、久しぶり。」
山田「おお?久しぶり。」
俺「何々、なんで疑問系だよ。」
山田「いやいや、だって鈴木さぁ、一昨日会ったじゃんww」
鈴木「…そうだったでしたっけけ。」
俺「…」
山田「けけってなんだよww忘れるとか、ひでぇなあww」
鈴木「ははは。」
山田「感情込めろやww」
鈴木「…ごめんなさい。」
俺「悪い、気分悪いから帰るわ。」
山田「ぇ?まじか、ってかお前久々で楽しみだったのに。」
俺「まじ悪い、鈴木ちょっとタクシー呼んできてくれる?」
鈴木「タクシー?…いいからそんな事、早く飯食いに行きましょう。」
俺「帰るわ、じゃあね。」
山田「ちょ、待てよ俺ww鈴木先に店行っててww」
◇ (移動中)
山田「おいおい、どーしたんだよww何キョロキョロしてんのww」
俺「いや、お前さ、あれ見て何思った?」
山田「は?あれって鈴木の事?ひでぇ奴だよ!一昨日の事忘れてっしww」
俺「変じゃなかった?」
山田「変か~、確かになんか雰囲気変わったかな。てか別人じゃねってくらいテンション低かったわww」
俺「お前、あれが鈴木に見えたか?」
山田「は?お前の方がなんか変だなwwあいつはどう見ても鈴木だろうよww」
俺「俺にはな、人間にすら見えなかったよ。」
山田「…え?聞き間違いですかな。」
俺「俺さ、大学で心理学勉強してて、人の表情とか見るの得意なのよ。
それでさ、最初は変だなこいつってくらいだったわけよ、でもな段々やばくなってきてさ、初めてだよ、人の表情見てて吐き気覚えたの。」
山田「やばくなってきたとはなんですか?」
俺「いやさ、それが、ね!?…やっぱ何でもないわ、それより暑くないか?」
山田「暑いですかね、………いや、暑くねーだろww今は冬だですよ。」
俺「…」
山田「続きをどうぞ?」
◇ (現在)
後輩「で、走り去っちゃったんですか?」
俺「そうなのよ。」
後輩「何の話でしたっけ?」
俺「俺の人生で一番怖い話だよ。」
後輩「全然分からんww」
俺「山田に話てたの続きを言うとさ、鈴木の奴一回も表情筋が動かなくってさ、それって普通ありえないのよ。」
後輩「そりゃ、さすがにおかしいっすね。いや、いないでしょ、そんな人ww」
俺「だから俺、あいつ人じゃなかったんだと思うのよ。」
後輩「だから山田さんに{人間にすら見えなかった}とか言ったんすね。」
俺「そうそう。でさ、山田に話を中断した理由なんだけど、話してたらさ、あいつも段々表情筋が動かなくなってったのね。」
後輩「…それって。」
俺「俺の予想では、あいつら二人ともなんかやばい事巻き込まれて、死んでんだよ。
お前寄生獣って読んだ事ある?あれみたいに乗っ取られてるんだと思う。」
後輩「SFっすね。」
俺「山田が先にやられてて、んで鈴木は偽山田にやられてって考えたら、話の流れもしっくりくるし、山田の表情がまともだったのも、結構人間に慣れてたからだと思うと説明が付くんだよ。
んで、あのまま、あいつらが変なことに気が付かなかったら俺、あいつらの仲間にされてたんだと思うんだよ。
よくよく考えたら、あいつらとの仲で俺が呼ばれるのおかしいし。」
後輩「ふーん、危なかったすね。」
俺「これガチだから…ってかお前何やってるの?」
後輩「いや、必死に表情筋を動かさまいと努力してるんすよ。」
俺「大丈夫、きっとお前は人間だよ。」
後輩「ふー、これ結構きついわあ。それで、その後二人と連絡取ってないんすか。」
俺「自分からは取ってないんだけど、他の同級に聞いたところ、連絡取れなくなってるんだって。」
後輩「え?」
俺「それだけじゃなくってさ、俺の同級30人居るんだけど、内10人くらいと連絡取れなくなってるのよ。」
後輩「まじっすか。」
俺「だから言ったろ、怖い話だって。うわっ鳥肌立ってきた、お前のお家泊まりに行っていいですか?」
後輩「いいっすよww」
作者よろしこ
何の捻りも無く、鈴木、山田、俺が人のふりをした化け物です。
俺は話では途中で帰ったことにしていますが、本当は山田と鈴木に中身を交換されています。
僕が潜在的に怖いと思うのは、人の中身が違うというシチュエーションです。(ありえませんがww)
人の皮を被った化け物、なんて表現がありますが、それが一番怖いと思うんです。
怖い話なんて作ったの初めてですが、楽しんでいただけたら幸いです。