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短編2
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修学旅行

これは、私が中学校三年生の時に体験した実話です。

実話なのでこれといったオチもないし、原因も分かりません。

怖くないかもしれません。

しかし、もう5年も経とうというのにまだ忘れられない体験です。

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中学校の修学旅行で京都、奈良に行った。

初日はあいにくの雨だったが、それでも充分楽しめたし、なによりも友達との宿泊が楽しみで仕方なかった。

いざホテルに到着し、みんなで自分たちの部屋の前まで来てみると明らかに暗い。

部屋番号とドアを照らす照明がほかの部屋に比べて明らかに暗いのだ。

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少しの怖さを感じながら部屋の中に入る。

そこは普通の畳の部屋で押入れ、テーブルなどがあった。

部屋に入ると布団が一組だけ敷かれている。

なんでだろう?

疑問に思っていたがきっと見本かなにかだろうと納得し、みんなで部屋の真ん中あたりで輪になって話をしながらくつろいでいた。

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その時私はちょうど押し入れの真正面のあたりに座っていたのだが、ふと押し入れの下の段をみると赤ちゃんがいた。

こっちを向いて寝ている。

びっくりした私は固まってしまったが、瞬きをして目を開けるとそこには何もいなかった。

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怖くなった私は、一刻も早くこの部屋から出たくて外に出た。

隣の部屋の友達を訪ねる。

部屋が明るい。

ただそれだけだけど、とても安心したのを覚えている。

そこへ他の友人が部屋に入ってきて言った。

「なんか、廊下から赤ちゃんの鳴き声が聞こえたんだけど。」

私はまだ誰にも押し入れにいた赤ちゃんのことは誰にも言っていない。

これは偶然だったのか?

わーわーと騒いでいた私たちを先生は怒り、私は部屋に返されてしまった。

部屋に帰った私は最初こそ怖がっていたが、次第に友人との馬鹿話や修学旅行特有の雰囲気で赤ちゃんの件を忘れかけていた。

しかし、これで終わりではなかったのだ。

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夜、皆で部屋の中で記念写真を撮ることにした。

押し入れの前にみんなで並び、テーブルの上に私が持ってきたセルフタイマーをセットしたデジカメを置いた。

パシャリ。

撮れた写真を確認する。

そこには、部屋の中にいる六人の顔。

押し入れの下の段、そう赤ちゃんのいた付近に顔がある一人の友人の顔の3分の2ほどが真っ黒になっていた。

おかしい。もちろん遮るようなものは何もないし、顔の一部分だけ綺麗に真っ黒なんてありえない。

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その後特に何かあったわけでもないし、ネットで調べてもそのホテルになにかいわくがあった様子も無かったと記憶しています。

あれは一体なんだったのでしょうか?なぜ私にだけ見えて、私にだけ撮れたんでしょう?

今でも謎のままです。

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