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中編5
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床と天井の間

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これは以前住んでいた部屋の話

2階建ての6部屋あるアパートで一階の端に住み込みで働いている管理人の部屋があり

そのとなりに101、102と2部屋ありそして2階に201、202、203と3部屋ありました。

私はそのアパートの202に住んでいました。

玄関を入ると左にキッチンがありそこから奥行くに廊下があり左に一部屋

右にトイレ、フロ、洗面台がある3点ユニットバスがありその奥に物置がある間取りでした。

壁が薄めでとなり部屋のトイレの流す音やシャワーの音が聞こえるぐらいで

家賃も安いし生活音ぐらいなら我慢できていたので結構快適でした。

住み始めて1週間ほど平穏に暮らしていたのですがある日

夜中に突然床が

ドン ドン ドン

となる音で目が覚めました。

下階の住人は確か真面目そうで爽やかな感じの確か・・・佐藤さんだったかな

人に迷惑をかけるような人ではなさそうだったので

ゴキブリでもでて天井を叩いてるのかな?と気にせず寝ました。

しかし次の日も

ドン ドン ドン

と床の鳴る音で起こされ

時間を確認すると夜中の3時ごろでした。

こんな時間に非常識だと怒りを覚えましたが

その日は苦情をいうのも面倒なのでそのまま就寝

それから毎日3時頃になると

ドン ドン ドン

と床の鳴る音がするようになりました。

イライラしながらもきっちり苦情を入れるためにスマホで動画を撮る準備をしました。

音がしだしてから6日目ついに録画に成功したので

次の日管理人に苦情を入れにいくことにしました。

一階の管理人室に行き騒音の苦情があると伝えると中に通されました。

そこは管理人室と名はついているけど他の部屋と同じ間取りでした。

管理人はお茶を出しながら「座りながら話しましょう」と

キッチンのテーブルに腰掛けるように勧めてきました。

椅子に座り落ち着いたところで話を切り出しました。

佐藤さんが毎日夜中に騒音を出して困ると苦情を言うと管理人が困った顔で

「佐藤さんからあなたが夜中に騒音を出すのを注意してくれと苦情が来てるんですが・・・」

そう来たか!証拠を撮っておいて正解だった!

勝ち誇った気分で騒音を出してるのは佐藤さんだと言いながら管理人に動画を見せると

管理人は驚いたような顔をしたあと何か悩んだような顔をし

「私が立合いますのでお二人で話し合ってください」

といって管理人室から出ていってしまいました。

仲介してくれなきゃ管理人の意味がないではないか!

と思いながら一人取り残された管理人室で待つことにしました。

しばらくすると管理人が隣の部屋から佐藤さんを連れて戻ってきました。

佐藤さんは軽く会釈した後に動画を見せてくれといってきました。

疑っているのだと思い動画を見せると真剣に見た後「これは何時撮ったものでしょうか?」

との質問されこれは昨日撮った動画だと伝えると

「これを見てください」とスマホの画面を見せられました。

どうやら動画らしい

固定されたカメラで天井がを映したものみたいだ

動画から佐藤さんの声が聞こえる

「今日は8月3日の3:14分です。そろそろ問題の時間です。」

私が動画を撮ったのと同じ時間だ・・・

少しの静寂の後

ビチャ ビチャ ビチャ 

と濡れた雑巾を床に落としたような奇妙な音がした。

「この音です毎日同じ時間に鳴って困っています」

ここで動画は終わっていました。

管理人が話し合いをさせようと思った理由がわかった

どうやら互いに証拠を持って苦情を入れたらしい。

佐藤さんが

「どういうことか解りませんが同じ時間ですよね・・・でも音がぜんぜん違いますね」

ここで私は理解した。誰も騒音を出していなかったのだ

ここで管理人が

「もしかしたら動物か何かが天井と床の間に入り込んでるのかもしれませんね」

私も答える「私もそう思いました」佐藤さんも「そうですね」と同意する。

管理人が「ここの天井裏は私の部屋にある扉から入れるので見てみましょうか」

音の正体を知りたかった私たちは確認してもらえるように頼んだ。

ではこちらにと管理人が奥に行くとそこは物置でした。

管理人が

「ここの物置は他の部屋と違って天井裏に行けるようになっているんですよ」

と言いながら物置から物をどけて近くにあった懐中電灯を手に取り

天井の薄い板を押し上げてどかし天井裏に入っていきました。

「では確認してきますね」と声だけ聞こえる。

どうやら天井裏は全部つながっているらしく

木がきしむような音を鳴らしながら進んでいきました。

すると「うわあぁぁぁっ」と驚くような声がして

管理人が慌てて戻ってきて呆然としてました。

青ざめた顔の管理人に恐る恐る何があったのか聞くと

「見ないほうが良いです・・・」と教えてくれません。

佐藤さんと目配せをして私は呆然とする管理人さんから

懐中電灯を奪うように受け取り天井裏を確認することにしました。

上半身を天井裏に入れ梁を掴みぐっと体を持ちあげ天井裏に入ると

周りは真っ暗で何も見えません

懐中電灯であたりを照らすと高さが60Cmぐらいしか無くかなり窮屈でした。

這うように梁を伝って慎重に進むと管理人が驚いたであろうものが目に飛び込んできました。

それは30cmぐらいの血溜まりでした。

これは・・・と思いましたが動物の仕業だと言い聞かせて

自分の部屋の床に当たる上を調べようと思い懐中電灯を照らすと

長い髪の毛が大量にぶら下がっていました。

それはどう見ても人間のもので動物のものではないことがわかりました。

上に髪 下に血溜まり 

上と下で違う騒音・・・ 

ドン    ドン    ドン

   ビチャ   ビチャ   ビチャ

考えが嫌な結論を出そうとしたとき奥で

ハッ ハッ ハッ

息遣いのような音と共に

何かゴロゴロ転がってこちらに向かって来る気配を感じ

見てはいけないと頭で思っていても目が離せませんでした。

次の瞬間、懐中電灯の光の中に

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髪の長い女の生首

が転がり込んできました。

思わず叫び声を上げて慌てて天井裏から滑るように逃げ出し

物置の扉をバタンと勢い良く閉めました。

すると佐藤さんが「何がっあたのですか」と声をかけてくる。

実際に見たことを話すと信じられなかったのか自分も確認すると天井裏に頭を入れ数秒後

「うわっ」と声を上げた後すぐ戻って物置の扉を閉めました。

あなたも見ましたか?と聞くと

「首が飛び跳ねてた・・・

頭を上にぶつけて下に血溜まりを作って・・・ああぁあの音だ・・・」

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それ以来私の部屋の音はなくなりましたが

管理人は辞め201の住人は毎晩床を叩く騒音に悩まされているそうです。

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