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短編2
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老婆

初投稿ですのでお手柔らかにお願いします…

私がその老婆を見たのは子供の頃だった。

友人の家で遊んでいた時、2階のベランダから何気無く近くの空き地を眺めていると白い服を着た老婆がそこに居た。

当時、その空き地には塞がれた井戸があり老婆はその井戸に向かって歩いていた。ところが、ふと目を離した隙に老婆は忽然と姿を消した。

不思議に思い、辺りを見渡したがどこにも見当たらない。当時はまだ幼かったため、あまり気にも止めていなかった。それからは私がその老婆を目にすることはなかった。

しかし、この話にはまだ続きがある。

私が大学生の時、友人に自称霊感が強い人がいて私は信じられなかったので、友人には何も伝えず、私が老婆を見た空き地に連れて行った。

この頃には井戸も埋められていたのだが、友人は私に「あそこに水子の霊が2人いるんだけど、昔この辺に井戸あった?」と聞いて来たので驚いた。

『あったけど…』と返す私に今度は「あと、電柱の方を向いて立ってる白い服を着たおばあちゃん。あの人はその井戸で亡くなってるね。」と言う友人に私は驚きを隠せなかった。(この時私には何も見えていない)

『それで、その老婆は良い霊なの?』と聞くと、

「いや、あんまり良くないね。それに力も結構強いし近寄らない方がいい。多分、向こうの世界に引きずり込もうとしてる。」と言われ急いで家に帰った。

そういえば、近所のおばあちゃんが亡くなる前に【白い服を着たこの辺では見かけない老婆と話した】と言っていたのを思い出してぞっとした。

まだ井戸があったあの時、あの老婆を捜しに行かなくて良かったと心底思った。

Concrete
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