これは久しぶりに会った友達と怖い話をしていた時にひとりの友達から聞いた話です
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私の友達は工業団地の近くにある住宅街に住んでいました
その友達をRとします
近くに住む人たちは個性的でいろんな人たちが住んでいたそうです
学校の英語の先生をしている外国人
毎日何時間も立ち話をしているマダムたち
顔が怖いけど優しい隣のおじいちゃん
そんな住宅街に若いカップルが越してきました
毎日朝からイチャイチャしていてリア充滅べと思っていたそうです
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そんなリア充カップルが朝からキャンキャン喧嘩をしていました
彼女「あんた責任もてるの!」
彼氏「頑張って仕事するから」
なんとかかんとか
Rは察しがよかったのであー子供でも出来たのかなと思ったそうです
案の定彼女のおなかは大きくなり子供が生まれました
その赤ちゃんは朝から夜まで関係なく大泣き
上手くあやせてないのかなきごえは結構長く
Rは寝不足、何をしてても赤ちゃんのなきごえが聞こえると愚痴をこぼすほどでした
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そんなある日ぱったりとなきごえが聞こえなくなりました
不思議に思ったRは若いカップルの家を見に行きました
人の気配がしないのです
ミステリー小説などを読んでいたRは
子供を捨てて夜逃げでもしたのかと推理を始めました
すると突然大きななきごえが聞こえてきたのです
まさか家に置き去りに!?
と思ったのですがどうやら家の中からはなきごえが聞こえてきません
Rはなきごえが聞こえる方に足を進めました
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おぎゃあ、おぎゃあ、おぎゃあ
どうやら工場の方から聞こえるようでした
おぎゃあ、おぎゃあ、おぎゃあ
声がだんだんと大きくなります
とある一つの工場から聞こえてきました
どこから声がするのかRは探しました
もし本当に赤ちゃんが捨てられていたら大事です
おぎゃあ、おぎゃあ、おぎゃあ
そこの影か!
Rは顔をのぞかせました
そこには工場と工場の壁の間で
体育座りをした若い男がいました
上を向いたままずっと
おぎゃあ、おぎゃあ、おぎゃあ
おぎゃあ、おぎゃあ、おぎゃあ
おぎゃあ、おぎゃあ、おぎゃあ
Rは理解が追いつきません
この人は何をしているんだ?赤ちゃんは?
聞こえていたのはずっとこの人の声だったのか?
と頭がぐるぐると回って思考が追いついていない時
ピタッと
なきごえが止まりました
若い男はRの方に顔を向けました
目が合った
あははははははははははっ!!
笑いながら若い男は工場の奥へと走っていきました
Rも走りました
男とは逆方向に
早く家に帰りたいその一心でした
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私が聞いたのはここまでで特にオチもなく
その後若い男はどうなったのか
近くに住んでいた赤ちゃんと彼女はどこに行ったのか
本当に何もわからないそうです
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ただあの時のおぎゃあ、おぎゃあというなきごえと走り去った男の顔は
まだRの頭から離れてくれないそうです
作者かなた
聞いててぞわぞわしたのでここで話させていただきます