夜道、道路の路片が田んぼのあぜ道を歩いていると、後ろに旧友がいる。
一人の友達がすぐ後ろ
もう一人の友達がその後ろ
この時、私は一人であったという記憶を持っていた。
だから、私はこの状況を訝しんだ。
突然、後ろの一人が声を上げる。
「そこの道路にでて座らんかい
道路に出て、いつまで一人で居られるか。」
暗闇はそばのアスファルトの色と交じり、前は一寸も見えぬ夜
雲が月を隠すが、夜霧の露のみ、怪しく魅惑的に点々と光る
言葉というものには、すべからく引力というものを持つが、
この時、私は道路には近ずいてはならないという先入観を得た。
私はこの状況を疑い、そして道路に今、座るということが馬鹿げていると
思っていなければ、その言葉を無視できていなかっただろう。
続いて話す声が聞こえる。
「他の稲を口に含む、それが包丁や枝に目まぐるしく
変わっていく。」
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私は無視して歩く。
すると、その後ろでは、この道路へと出たという感触。
それから数瞬後、
暗闇から何かが出てきて、
突如、人体を猛烈に撥ねた。
私は後ろに目もくれず、一目散に走りだした。
か細い電灯の灯りが見える。
駅だ。
そして目の前には、長い横断歩道が見える。
私は斜め後ろからくる恐怖から逃げんとして白線を渡る。
だが半ばで、信号機は赤く点滅する。
走れども走れども、夢のように前に遅く進む。
どうにか間に合った私は
次の時には、電車に飛び乗ることだけを考えていた。
作者a wren
この夜道、その道路には歪な地蔵があったらしい。
これは、ある衆が地蔵を訪れる人を見て、それが作られる契機となった。
それはほんの些細な心であったが・・・
地蔵はここに人がいますよ、という人が迷わないような道標である。
人はありがたがり、地蔵に対しては、邪な心を持たないだろう。
その様子を見て、邪な心を持ったものが掘った地蔵。
邪な心を持ったものが、どのような心で地蔵を掘ったのか、我々には分からない。