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中編3
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人でない違うモノ

季節は夏。

僕が高校生の頃のお話です。

僕は小さい頃、死んでしまったおじいちゃんを見たり、金縛りにあったりと心霊体験は他の兄弟に比べてよく体験するほうでした。

いつものように学校から帰ってきて、遊んで、そんな毎日をすごしていました。

自分の部屋はなく、兄と同じ部屋で、隔てるものもなく、いつも兄がいました。

部屋は座敷で、2階の階段を上がるとすぐに僕たちの部屋。入ってすぐ左に布団を入れている押入れがあります。

押入れのとなりには日本舞踊の人形、立派なお皿が置いてあります。

8畳ぐらいの部屋にいつも並んで寝ていました。

階段からのぼってすぐの押入れ側に僕、となりに兄が寝ていました。

いつからか、僕が兄と同じ方向に頭を向けるのが嫌になって、頭を兄と逆向きにして寝るようになりました。

理由は同じ向きで寝るのが嫌だったからです。

それから数日後、恐ろしい体験をしました。

いつものように布団に入って寝ようとしたところ、胸騒ぎが凄く眠ることができませんでした。

この時、兄はもう眠っていました。

原因はわかりませんが、布団に入っていれば眠くなるだろうと思って布団に入っていると、

カタカタ、カタカタ、カタカタ、・・・体が急に震えだしたんです。寒さからの震えでないことはすぐわかりました。

寒くないし、季節は夏。部屋にクーラーもありません。

僕はどうして震えているんだろうと考えていました。

だって、歯がカタカタ、カタカタ、音を立てているんです。

今までこんなに震えたことはないし、どうしてだろうって。

そうしたら、玄関の外から気配がしたんです。凄く恐ろしい気配です。人ではない違うもの。

人って後ろに誰かいたりすると、気配を感じ取れるでしょう?感覚はそんな感じなのですがどうもおかしいんです。

その気配が僕に向かってゆっくり近づいてくるんです。一歩、一歩また一歩。擦っている感じ。

そこで僕の体は恐怖で震えていることに気づきました。兄を起こそうとしましたが、声が全くでないんです。

口をパクパクしてるだけ。

気配は、一歩、一歩、階段を上ってきている。このとき音は一切しないんです。恐ろしい気配だけが迫ってくる。

そのまま気配は消えずに、僕達の寝ている部屋へぬうっと入ってきたんです。

そして僕の方へ足の方からゆっくり近づいてくるんです。ストン、ストン、と

布団は踏んだりすると沈むでしょう?近づいてくるごとに布団が沈んで、嫌に現実味がありました。

そして気配がピタリと止まったんです。ちょうど、胸のあたり、

僕はタオルケット一枚かぶって、あおむけで寝ている状態です。

そして、のぞき込むようにして、気配が近づいてきました。

声はでないし。となりで寝ている兄は全く気付いていない。

タオルケット一枚挟んだ向こうに、気配がある。人とは違う気配だったから、向こうにあるのは顔なのかもわからない。

ただ、なにかが僕の顔を覗き込んでいる。これだけははっきりわかるんです。

ずーっと覗き込んでいるんです。僕の顔を。

その状態がどれくらい続いたかわからない。気配はふっといきなり消えたんです。

その後、兄は布団に潜り込むと、兄は暑さで起き、「あっついな。なんだよお前。」

兄は僕の顔を見ると、なんだかわからないけど、状況を把握してくれてその日は一緒の布団で眠りました。

その時の時刻は3時30分くらい。

後日、なにがあったのかを話すと、家族はその気配とやらは感じなかったというし、

夢でもみたんじゃないのと言われましたが、兄はあのときの状況を知っているからこそ信じてくれました。

あのとき感じたものは、何だったのか。

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