短編1
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砂嵐

Aちゃんは深夜番組を見るのが好きだった。

学校があるというのに毎日毎日見ていた。

Aちゃんは深夜番組を見るのが日課というほどにまでになった。

ところがある日・・・

「なんでかなぁ〜」

いつもの放送されている番組を見ようとしたが、砂嵐が映っていてるだけだった。

試しに他のチャンネルを見ても、ただ砂嵐が延々と続いているだけだった。

すると、砂嵐に何か映っているような気がした。

手持っていたリモコンを無意識に強く握りしめながら、目をこらして見ていたら・・・

瞬間的に砂嵐のような色の手がAちゃんの首を掴んだ。

徐々に力を込め、首を締め上げる。

苦しさと嘔吐感で意識が遠退きそうになったAちゃんは、死に物狂いで手に持っていたリモコンのボタンの電源を切った。

テレビの電源を切ったと同時に灰色の手が消えた。

締め上げられた気管支が一気に解放され、吐きそうになる衝動に駆られながらもAちゃんは必死にテレビから離れようとする。

そして、ヒューヒューと喉をならしAちゃんは、不意に足を捕まえられた。

確かに聞こえた声。

『捕まえたぁ!!』

頭に響くように聞こえた。

―離してぇぇぇ…

声にならない叫びを残し、Aちゃんはその日を境にいなくなってしまった。

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怖い話投稿:ホラーテラー 響さん  

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