Aちゃんは深夜番組を見るのが好きだった。
学校があるというのに毎日毎日見ていた。
Aちゃんは深夜番組を見るのが日課というほどにまでになった。
ところがある日・・・
「なんでかなぁ〜」
いつもの放送されている番組を見ようとしたが、砂嵐が映っていてるだけだった。
試しに他のチャンネルを見ても、ただ砂嵐が延々と続いているだけだった。
すると、砂嵐に何か映っているような気がした。
手持っていたリモコンを無意識に強く握りしめながら、目をこらして見ていたら・・・
瞬間的に砂嵐のような色の手がAちゃんの首を掴んだ。
徐々に力を込め、首を締め上げる。
苦しさと嘔吐感で意識が遠退きそうになったAちゃんは、死に物狂いで手に持っていたリモコンのボタンの電源を切った。
テレビの電源を切ったと同時に灰色の手が消えた。
締め上げられた気管支が一気に解放され、吐きそうになる衝動に駆られながらもAちゃんは必死にテレビから離れようとする。
そして、ヒューヒューと喉をならしAちゃんは、不意に足を捕まえられた。
確かに聞こえた声。
『捕まえたぁ!!』
頭に響くように聞こえた。
―離してぇぇぇ…
声にならない叫びを残し、Aちゃんはその日を境にいなくなってしまった。
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怖い話投稿:ホラーテラー 響さん
作者怖話