「すごく足の長いお地蔵様がいるんだって。どんなふうに長いのか気にならない?」
友達に誘われ、少し興味があったので「気になる」と返事をした。
夜中。友達と林の中へ向かった。辺りは暗い。足元が見えなかった。
友達の手を握り締めながら、おそるおそる林の奥へと向かう。後ろを振り返ってみる。真っ暗だった。
「ねぇ…やっぱり帰らない?」
「ここまできたんだから、引き返すわけにはいかないよ。もうそろそろ…………あ」
友達が正面をみる。
柱のようなものが二本。友達の後ろに隠れながら、前をみた。
「なんだろう…」
「あれが足長地蔵だよ」
友達はそう言い、柱のほうへ走っていってしまった。
「…帰ろうよ〜」
「これ、足長地蔵の足だよ。すごいなー。くぐると消えちゃうんだよ?」
「えー」
「くぐってみてよ」
「やだよ」
「消えるわけないじゃん!ははっ」
おもしろそうに笑う友達。
それに少しカッとなった。軽くボンッと肩を押した。
友達はバランスを崩し、倒れた。
「いったー…」
「ごめん!」
「大丈夫、大丈夫…」
友達が起き上がろうとしたとき、足元で何かが動いた。
――…
「足長地蔵は本当にいるんだよ。高校生が足長地蔵の足の間をくぐり抜けたから、お地蔵様に殺されちゃったんだよ」
「えー怖い」
「足長地蔵の足元に埋まってて、次にくぐった人を殺していくんだってさ」
: JHARD
怖い話投稿:ホラーテラー JHARDさん
作者怖話