僕の親友の話です。
親友Yが、僕に相談してきました。
「なあ、俺さ恋をしてるんだ。」
彼女いない歴23年の僕とYの間で、恋愛の話をするのははじめてだった。
僕は複雑な心境でYに聞いた。
「よ、よかったじゃん何何?どうやって知りあったの?」
するとYは、恥ずかしそうな顔をしながら、
「知りあったと言うか…まだ会った事ないんだけどさ。」
と話出した。
どうやらYは、携帯の出会い系サイトで女の子とメールのやり取りをしているらしく、その女の子に恋をしたそうなのだ。
僕は、
「おいおい大丈夫かよ!サクラとか詐欺とかじゃないの?」
そう聞くと、
「絶対違う!エリに限って…本当いい子なんだ。優しくて、思いやりがあって、何時も僕を励ますメールをくれるんだ。」
エリと言う名前らしい…。完全にのぼせあがっている親友に僕は、
「だったら電話番組とか聞いて会えばいいじゃん」
と忠告した。
Yは、複雑な顔をして、
「聞いたんだけどさあ…」
と僕に返信メールを見せてくれた。
そこには、こう書かれていた。
(私もあなたに会いたい。でも会えないの…
あなたには私の声が聞こえない…
私の姿を見ることが出来ない…
そして、私を嫌いになってしまうでしょう…
それでも構わないなら、今夜あなたの所へ行きます。
あなたには、私の姿を見る事が出来ないので、ビデオカメラを用意してください。
それを通して、お会いしましょう。
親愛なるあなたへ
エリより。)
僕は、読み終わると全身に鳥肌が立つのを感じた…
「これ…ヤバいんじゃないか…もしかしたら霊とかそう言うものじゃないの?」
だが、Yはキッパリと言い放った。
「エリが、もしもこの世の者じゃなくても構わない!
俺はエリに会う。
会って思いを伝えるんだ!」
恋は盲目とは良く言ったものだ…
結局僕はYの熱意に心を打たれ、Y一人きりでは心配なので、僕もYの家に泊まることにした。
Yの家は、6畳の小さなアパートの一室だ。
僕とYは、玄関が映る位置でビデオカメラをセットした。
そして二人でビールを飲みながら、エリが来るのを待った。
深夜2時近くまで、僕もYも起きていた。
しかし2時を過ぎると、アルコールのせいか酷い眠気に襲われた。
しばらくすると、僕は完全に寝てしまった。
続く
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話