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中編6
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朝鮮壺 その壱

始めに…

恐怖系サイトで有名な話「コトリバコ」

部落差別に纏わる呪い…

もし 似た様な話が他の国に存在するとしたら?

友人のフリーライターから聞いた、怖いというかとても気味が悪い話です。

友人はフリーライターといっても、朝鮮の民俗学に興味があり、1年の半分以上は向こうにいます。

いつか北に拉致されないかヒヤヒヤしてるそうですww 何回かやめろよって言いましたがやはりなぜかあの半島に魅力を感じてしまうらしいです。

まあ普通に民俗学といえば聞こえがいいですが、彼が主に調べているのは、朝鮮の黒歴史…表には出ないドロドロした歴史だというんですから物好きと言うか悪趣味と言うか…。

映画にもなった、キム・デジュンの暗殺部隊なども調べたというものだから困ったものです。

そんな彼が語った、朝鮮の闇…本当に闇に葬られた、現実にあったとは思えない、思いたくない恐怖の歴史です。

あまりの話の内容に、彼はそればかりは文章にできなかったと言います。

この話は誰にも話しておらず、人に話すのは初めてだと言いました…なぜ、彼が私に話したのか、それは、いやがらせの為に話したのです。

というのも彼と一緒に入った料理屋のバイトが朝鮮人で、あまりにも日本語が下手で思わず「これだからチ○ンは」と言ってしまったのをきっかけに口げんかになり、そして落ち着いたところで彼がポツリポツリと話し出しました。

「お前、朝鮮人がどれだけ歴史の裏で恐ろしいことをやっていたのか…教えてやるよ…」と。

今やかの国は発展途上ということもあり、超高層ビルが建ち、ハイテクなパソコンが並び、様々な国と交流を持ってますが、実際にはそんなのは全体の一部に過ぎず、少し山奥や地方に行けば今だに自給自足してる村もあります。

南北問題や朝鮮戦争なんて教科書に載っているような歴史ではなく、本当に裏の歴史を知るにはそういった村からの情報が欠かせないと言います。

3年ほど前になるでしょうか、その日も彼は山奥の村で取材をしていました。

一通りの取材を終え村を出たころには、空はもう真っ暗だったそうです。

予定よりも時間をくってしまった、さっきの村に宿を求めようかとも思ったのですが、結局、麓の町まで歩くことにしました。

しかし険しい山道、もちろん街灯なんかも無く、手元の懐中電灯の明かりもただデコボコの道と闇を照らすのみ…。

おかしい、迷ってしまったんじゃないか、そう気づいた時はもう遅く、森と闇に囲まれ、そして雷鳴が轟いたそうです。

振り出す滝のような雨、彼は雨具を着て「こりゃあ…雨宿りできる場所を探して野宿だな」と覚悟を決めました。

ぬかるんだ地面に足を取られながらも、雨粒しか反射しない懐中電灯の明かりを頼りに一晩過ごせるような場所を探します。

すると、地面から飛び出す巨大な岩と岩の間に穴があるのを発見しました。ちょうど人ひとり入れるような穴です。

「坑道か何かか? ちょうどいい」

彼はその穴に入りました。

中はもちろん真っ暗で電灯で照らしても冷たい岩肌しか見えません。

そのまま寝てしまえば良かったのですが彼は好奇心で奥はどうなっているんだろう? と穴の深くへ進んでいきました。

どれだけ歩いたでしょうか、深い深い穴の先 出口が見える気配もありません。懐中電灯の電池も気になります。こんなことなら入り口のところでさっさと寝てしまえばよかった。彼は後悔します、ここで夜を明かしても目覚めは闇の中でしょう、結局進むか戻るかしかありません。

万一行き止まりだったら…そう思うとやはり後戻りかな、そう考えた矢先、雨音が聞こえます。

もしかして出口か?

さらに先に進むと出口が見えました、かなりの距離を歩いた気がする…それは山の裏まで突き抜けているトンネルだったようです。

とりあえず出口が見つかったので、そこで彼は横になりました。

まぶしい光に彼は目を細めながら起き上がりました、昨夜の遭難に雨、そしてトンネルの事をぼんやり思い出しながら外に出ました。

木々の隙間から漏れる光、快晴です。よかった、とりあえず麓まで降りよう。

そして少し先に開けた場所があるのを発見し進みました。

森から抜け出し草原に出た彼は、その時の感覚を「あの時背中に走った悪寒はヤバかった。脊髄が氷柱に変わったかと思った…」そう語りました。

彼が見たのは

墓 墓 墓 墓墓 墓墓墓墓墓

草原のあちこちに倒れ積み重なり、そして草からのぞく墓墓 墓石の大集団。

ほとんどの文字は苔に覆われ、欠けていましたが、それは確かに墓だったといいます。

しかもその数は尋常じゃなかったそうです。

草原かと思ったのは墓の隙間から生えた草でその一面…そう、彼が立っている地面そのものが墓石の山だったそうです。

これほどの死者…疫病か? 村同士の抗争か? この山にも昔、村が点々とあったことはだけは知っているが…しかし、考えずらい。

あまりにも多い、村1つ全員…どころじゃ…ない、この山1つ…いや、この地方一帯の人間が死ななければ、これほどの数にならないんじゃないか…?

恐る恐る墓石の文字を覗き込む、時代はどれも大体同じ時代のものが書かれていた。

ちょうど日本で言えば幕末〜明治初期に集中しているらしかった。

そしてもう1つ、欠けた墓石の文字をたどっていくと…彼は気づいてしまった。

女性と…子供しかいない…。

名前はほとんどが女性の名前、男性の名前もあったが刻まれた年齢はどれも幼く…ソレを物語っていた。

これだけの女と子供が? この時代は確かに村と村、地域と地域、国と国の争いがあちこちであり、疫病も度々あった時代だ。

しかしそれなら成人男性の名前も刻まれるんじゃないのか? 男たちが出稼ぎや徴兵で出て行った後、残された女や子供が疫病で亡くなったのだろうか?

恐怖は徐々に好奇心に変わっていった。

ここで…ここいらの地域で何が起こったのか…彼は調べることにした。

まずは地域の資料を漁ってみた、図書館や役所にも足を運んだがコレといった情報は得られなかった。

そもそも今でも地方の山の奥で何があったかなんて日本ですら分かってない事が多いのに、管理能力がアレな国だ。

今現在でも、住民票すらない山奥の人なんて数万人もいるんだ、分からなくて当然なんだよな。彼は苦笑した。

そこで先日の村に再度話を聞きに行った、その村の人は確かにあのトンネルと墓の山の存在は知っていたのだが、比較的新しい村だったため、情報は少なかったが「昔、かなり良くないことが起こったらしいが詳細はわからない」村一番の年寄りもこう語るのみだった。

あの時代、この地域の生き残り…は、さすがにいないだろうけど、もしかしたらどこか移住した部族がいるかもしれない。

様々な資料を調べ、聞き込みを続けると、ある重要な手がかりを見つけた。

あの山一帯の者の一部は今のロシアに移住しているとのこと。

「ロ…ロシア? はぁ…お手上げじゃん」

私はため息をついたが、彼は薄気味悪い笑みを浮かべて続けた。

「いや、ロシアまで行ったぜ…さすがにロシア語わからなかったから辞典片手にな」

アホだコイツ…私はすっかり冷めたヤキトリを頬張った。

「んで、ロシアで見つかったのかよ? 墓場山の住民は」

「あぁ、見つかった。俺ってハイパーラッキーだ…まあ、1年かかったけどな」

「マジかよ…」

「ああ、しかも絶対に話さないと超ガンコジジイでな、交渉に交渉重ねて聞き出すのにさらに1年かかった」

怖い話投稿:ホラーテラー 雫(こぴぺ職人)さん  

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