短編2
  • 表示切替
  • 使い方

冬の登山③

リーダーは、怖い顔をして、私に聞いてきました。

「おい!今の今まで、Aはお前の隣にいたのか?

うーむ…まさか…

ユリ!昨日あった事を全部俺に話てくれ…」

私は、昨日の事を事細かにリーダーに話ました。

足首が痛くて下山できなかった事、A君が私の為に雪を取りに行った事、真っ黒な影がずっと立っていた事…

そして私が、影の事を話出すと、リーダーは急に真っ青な顔をして言いました。

「影…て…お前…

それは、山で事故った人を引き込もうとする奴だぞ…」

「そう!それです!A君もそう言ってました。」

すると、リーダーはいきなり大声で叫びました。

「みんなああ!Aを探せええ!このあたりにいるはずだ!」

そして私に言いました。

「ユリ…昨日の影はな、山で死んだ者を引き込もうとする影なんだ… 」

その時、パーティーのメンバーの叫び声が聞こえました…

「リーダー!! Aさんが…向こうの崖下に…」

A君は、雪を取りに行き、その途中崖から滑落して死んでいました…

私の為に雪を取りに行き…

命を無くしてしまったのです…

A君は、私一人じゃ心配だからと、私の所に来てくれたのでしょう…

一晩中、ずっと話続けてくれたA君…

私一人じゃ多分ダメだった…

私は本気でA君の後を追おうと考えました…

だけど、それではA君は多分、私に会ってくれないでしょう…

だからいつか…

いつか必ずA君の所へ行きます。

その時は、山でも空でも雲の上でも、ずっと一緒にいようね。

山の影の事を、

″ガナクロ″と言うそうです。

リーダーが教えてくれました。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

Concrete
コメント怖い
00
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ