リーダーは、怖い顔をして、私に聞いてきました。
「おい!今の今まで、Aはお前の隣にいたのか?
うーむ…まさか…
ユリ!昨日あった事を全部俺に話てくれ…」
私は、昨日の事を事細かにリーダーに話ました。
足首が痛くて下山できなかった事、A君が私の為に雪を取りに行った事、真っ黒な影がずっと立っていた事…
そして私が、影の事を話出すと、リーダーは急に真っ青な顔をして言いました。
「影…て…お前…
それは、山で事故った人を引き込もうとする奴だぞ…」
「そう!それです!A君もそう言ってました。」
すると、リーダーはいきなり大声で叫びました。
「みんなああ!Aを探せええ!このあたりにいるはずだ!」
そして私に言いました。
「ユリ…昨日の影はな、山で死んだ者を引き込もうとする影なんだ… 」
その時、パーティーのメンバーの叫び声が聞こえました…
「リーダー!! Aさんが…向こうの崖下に…」
A君は、雪を取りに行き、その途中崖から滑落して死んでいました…
私の為に雪を取りに行き…
命を無くしてしまったのです…
A君は、私一人じゃ心配だからと、私の所に来てくれたのでしょう…
一晩中、ずっと話続けてくれたA君…
私一人じゃ多分ダメだった…
私は本気でA君の後を追おうと考えました…
だけど、それではA君は多分、私に会ってくれないでしょう…
だからいつか…
いつか必ずA君の所へ行きます。
その時は、山でも空でも雲の上でも、ずっと一緒にいようね。
山の影の事を、
″ガナクロ″と言うそうです。
リーダーが教えてくれました。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話