僕の友達に、霊的なことなど全く信じてない人がいる。その人の話。
そいつ(以後A)が言うには、
「霊などと言う者は、人間の恐怖心が作り上げる、幻覚でしかないんだ!」
と、自論を力説する。
僕は、なんか納得いかないので、Aを街の外れにある心霊スポットに誘った。Aは
「そんな所へ行く意味がない…」
と、最初は断っていたのだが、僕が、「怖いの?本当は怖いんでしょ?」などと煽っていると、渋々行くことに決めたようだ。
夜、僕とAは、その心霊スポットに行った。
街の外れにある廃病院は、前々から霊が出ると恐れられている場所だった。
僕「おー怖いな…」
A「別に…」
二人で、病院の中に入っていく…
嫌な空気が充満していた。
と、いきなりAが大きな声で喋り出した…
「はい!幻覚出ました!だから嫌なんだよなあ…」
「おい…A…どうしたんだ?」
Aは早口で喋る。
「ん?いやね、あそこの階段の所に、赤っぽい服着た女がこっちを見てるんだ。
ここで考えられることは2つ。
①本当に女があそこにいる。
②俺の幻覚。
で、お前があの女が見えないという事は、あれは俺の幻覚と言うことになる。」
僕は、その話を聞くとすぐAの手を掴み、病院の出口に走った。
前から噂されている霊が、まさにその女だったからである…
息を切らせ外に出ると、Aが冷めた口調で言った。
「怖いなら行かなきゃいいのによ…
まあ、でも俺の深層心理にも恐怖心が有るんだろうけどな。
そうじゃなきゃ幻覚なんて見えないからね。
まだ幻覚が見えるよ…お前の肩に、さっきの女が抱きついてる姿がよ…」
次の日、僕は生まれて初めて、お祓いと言うものに行きました…
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話