今から20年前に本当にあった話。
当時まだ高校生。
付き合っていた彼女Mの家は母親と祖母と3人で暮らしていました。
祖母は足が不自由なうえ、視力と聴力が著しく低下していた。辛うじて1人でトイレには行けるようだった。
両家公認の交際をしていたので、いつもの様に、その日はMの家に泊まりに行く約束をしていた。
丁度、M母が出張になり、その日は家に帰って来ないという。
チャンスである。
やりたい盛りの17才、いつもは母親が居るので、見つからない様に声を押し殺し、しかも短時間で終らなければならない。
今日は、ババアしかいない。
Mの部屋は2階なので、足腰の悪いババアは登ってこれないし、聴力が低下している為聞こえない。
誰に気兼ねすることなく、全裸で好きなだけ営みが出来る。
そう考えるとワクワクした。
Mが作った夕食を早々に済ませ、2人で風呂にも入った。
二人で2階に上がり、電気を消してイチャイチャしながら、営みを開始!
かつてないほど盛り上り、そろそろクライマックスかな〜なんて考えていると……ギシギシっと異音がする事に気付いた。
行為を止めて耳をすませると、ギシギシ…とまた聞こえてきた。
ビクッとしたが、風が少し強くなってきたのだと自分に言い聞かせ、行為再開!
直後、またギシギシっと音がした!
心臓が飛び出そうな位、二人の心拍数が跳ねあがる。
誰かが、階段を上がってくる!
幽霊に違いない!
しかも音がする位置からすると階段をほぼ登り終えて部屋の前まで来ている!
何故か、幽霊に俺達は殺されると予感したが、全裸で正常位で合体中で、身動きが取れなかった。
そして得体の知れない何者かが、ドアに手をかけた。
ヤバイ殺られる!次の瞬間、ダーンという大きな音と共に、月明かりに照らされた奴が姿を現した。
そう、それは満面の笑みをたたえた、Mの祖母だった。
祖母は、俺達の行為を確認するとニヤリと微笑して、ドアを閉め、何事も無かったかの様に自室へ戻って行った。
いままで一度も2階に上がってきた事が無いのに、しかも聞こえる筈は無いのに、何故気付いたのか未だに謎である。
月明かりに照らされた老婆の笑顔は、今でも思い出すと不気味である。あの笑顔が脳裏に、こびり着いて離れない。
怖い話投稿:ホラーテラー はなみずきさん
作者怖話