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短編1
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血の代償ー2

結構強い力で押されたので俺床に倒れた。

その際に掌をガラスの破片で切ってしまい、血が床に滴った。

「オイ!ふざけすぎだろ!怪我しちまったじゃんか!」

思わず叫んだ。

が、俺の怒号はAとBの耳に入っていなかった。

二人の肩が小刻みに震えている。

「オイ!何とか言えっての!」

Aの肩をガッと掴み、何気なくAとBが凝視している先を見た。

看護婦?

車椅子を押している看護婦。

その車椅子は鉄の部分が妙に赤錆ていて人が座るシートには赤黒い何か、血が乾いたような色だった。

俺は思わず懐中電灯を落としてしまった。

その瞬間、金縛りが解けたかのようにAとBが踵を返し、放心状態の俺の腕を掴み、走り出した。

「オイオイ!冗談じゃねーよ!」

「マジかよ!マジで本物!?」

「うるせーよ!黙って走れよ!」

出口まで三人で全力疾走。

本物だったのか?など三人で議論しながら帰った。

もう一度行き、確かめる気力も勇気もなかった。

時刻は一時を回っていた。

家に帰った俺は風呂にも入らずに布団を被って寝た。

普段、朝までノンストップで寝る俺だがその日は違った。

怖い話投稿:ホラーテラー 9尾さん  

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