時計を見ると深夜三時を回っていた。
もう一度寝ようと布団を掛け直そおとしたが、部屋の違和感に気付く。
真っ暗な部屋に黒い何かがいる。
影のような何か。
小声で何か言っている。
「血…臭…い…」
声は次第にハッキリ聞こえるようになった。
「血の臭い…血の臭い…」
寒気がした。
布団を被った。
震えながら心の底で消えろ!消えろ!と唱えた。
そして急に体が重くなり、金縛りになった。
「血…血の…臭い…」
怪我をした掌の感覚がない。
俺は消えろ!と必死で願った。
何十分、何時間経ったのか分からない。
急に金縛りが解けた。
気が付けば外はうっすらと明るくなってた。
電気を付け、掌を見ると傷口がパックリと開いていた。
何故か血は出ていなかった。
怖い話投稿:ホラーテラー 9尾さん
作者怖話