私の住んでいる地域は至るところに川が流れています。
そして私の家の前も川なんですが、今年のお盆にその川で水難事故がありました。
場所は私の家の前の川を200メートル程下って別の川と交わる境にある水門の下です。
事故にあった少年は友人等数人と水門から川に飛び込んで遊んでいて、そのまま浮かんでこなかったと聞きました。
ヘドロに足を取られ藻に体が絡まっていたそうです。溺死でした。
ヘリコプターなども出動し捜索の様子がニュースで放送されていました。
捜索開始数時間後、少年は遺体になって発見されました。
大人達はみな、お盆に川なんかで遊ぶからだと言っており、私も痛ましく思いながらもそれは否めないな‥と思いました。
その事故の数日後、私は不思議な体験をしたんです。実話です。
―‥私はその日、友人と遊んでいました。
そして朝の4時頃友人と別れ1人で河川敷を通って帰宅している途中の事です。
その水門を渡る時、花やお菓子などのお供え物がしてあるのに気がつきました。
すぐにその事故を思い出しその場で手を合わせそのまま通り過ぎようとした時です。
なんていうか、背筋がゾッとする感じ‥
まだまだ暑い時期なのに思わず立ち止まる程の寒気がしたんです。
その事故の直後だったのできっと考えすぎているんだろうと思いましたが、とにかくすぐにでも立ち去りたくて少し早足で歩き始めました‥
そして歩き出したその時、ザブンッ‥っていう感じの、重い物が水に落ちるような音がしたんです。
その音は魚がはねる音とは大きく異なり、人が海などに飛び込む光景を連想させるものでした。
えっ?と思い、川を見てしまいました。
すると、川にたくさんの気泡ができているんです。ボコッブクブクブク‥という音を出しながら。
目が離せませんでした。
そしてその気泡はどんどん小さくなっていき、最後に一つボコッという大きな気泡出して止まりました。
水面だけはその後もしばらく波打っていました。
そこまで見て我に帰り震える足でなんとか家に帰ったんですが、帰る途中3回程ザブンッという音を聞きました。同じ間隔で。
思い込みかもしれませんが、ここまでの一連の流れで私はその少年の事故を思い浮かべてしまいました。
水門の上から川に飛び込み、溺れ、どんどん酸素がなくなっていき最後の酸素を吐き出してとうとう息が続かなくなってしまった‥息が続かなくなった後も暫く水中で水をかき助けを求めていた‥
バシャバシャという水をかくような音がしなかったのは、飛び込んだ直後にヘドロと藻に絡まって浮かんでこれなかったからでしょうか。
事故にあった少年の友人等の話によると飛び込んだ後一度も浮かんでこなかったらしいので‥
私は、この少年がまだ成仏できずに事故当時の苦しみを繰り返しているような気がして仕方ありません。
文章能力がないので伝わってなかったらすみません。
私的には恐怖でもあると同時に痛ましく悲しい出来事でした。
しかし、この後知った事実は更に恐ろしいものでした。
この事故にあった少年、友人等と遊んでいて飛び込んだ訳ではなかったのです。
なんと事故当時一緒にいた少年達にイジメを受けており、更にこの被害者の少年はカナヅチだったそうです。
つまり、泳げない少年が自分から川に飛び込むはずもなくその他の少年達に川に飛び込むよう強要されたのです。
しかも学校側も事実を隠ぺいし、加害者の少年達が普通に遊んでいるのを何度も見かけました。
結局、事故として片付けられました。
事実を訴えた人もいたそうですが証拠なんかありません。
死人に口なし‥ってこういう事ですね。
警察は取り合ってくれなかったそうです。
被害者の少年の無念の思いを考えると本当に痛ましい事件です。
ただただご冥福をお祈りするばかりです。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話