短編1
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何もなかった部屋

仕事でくたくたに疲れると、彼女に会いたくなる。

いつだって笑顔で俺を迎えてくれる彼女。

あの小さな部屋で、今日も待っててくれるはずだ。

街外れにある彼女の部屋。その小さな部屋で、全ての音を消して二人で寄りそって話をしよう。

どうしようもない俺の下らない愚痴を、彼女は真剣に聞いてくれる。

ただ頷いて聞いてくれるだけで、明日からまた頑張ろうって、そんな気持ちになれるんだ。

夜しか会えないけど、寂しくないかい?

仕事だから仕方ない…

俺…家に帰ってもやることないし、部屋にはなんにもないんだ。

あるのは布団だけ。

寝て、起きて、仕事行って、寝て…

ただそれだけ、なんにもない…

だからせめて…彼女に会いたい。

君の部屋は、墓地の中。

怖くなんかない。

君に会えるなら。

なんにもない部屋で、一緒に眠ろう。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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