家に帰ると、僕の家族がみんないた。
尊敬する父さん、優しい母さん、綺麗な姉さん、僕は行きなりの家族の訪問にとまどった…
姉さんが言う、
「宏明、二十歳の誕生日おめでとう!」
そうか、今日は僕の誕生日か。
それで、みんな集まってくれたんだ。
僕は、目頭が熱くなった。
家族に会うのは久しぶりだ。
去年の家族旅行以来、一年ぶりか…
父さんが言う、
「宏明、もう二十歳だな、おめでとう!」
僕は、目を覆いながら頷くことしか出来なかった…
母さんが言う、
「宏ちゃん、二十歳の誕生日おめでとうね」
僕は母さんに抱き付きかすれた声で、
「ありがとう…」
と言った。
感激で涙が止まらない…
父さん、母さん、僕を生んでくれてありがとう。
横から姉さんが笑いながら言う、
「全く大袈裟なんだから、誕生日くらいで泣いてんじゃないわよ」
だよね、今日は僕の誕生日だ。
一年ぶりに家族に会えたんだ。
泣いてなんかいられない。
去年の家族旅行は最悪だったもんね。
久しぶりに家族が集まったのにさ、
温泉に行く途中に事故起こしちゃってさ…
みんな僕をおいて死んでしまうんだもん…
僕は、溢れる涙を拭いながら、大好きな家族に言った。
「本当に…ありがとう…」
家族は、みんな笑いながら静かに消えていった。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話