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短編1
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終電にて

去年の調度今頃、忘年会シーズンのときです。

その日は私の会社の忘年会で終電に乗った時でした。

帰宅ラッシュとは逆方向だったんで、車内はガラガラ。

しばらくしたら車両に私とくたびれたサラリーマンの二人だけになった。

そのサラリーマンは私から一番離れた両端のシートに座って居眠りしていた。

相当疲れてるか、酔っ払ってたんだろう。

私もちょっと眠かったから目を閉じた。

5~6秒経ってふと目を開けるとサラリーマンが、シート一列分だけ私のほうに移動してるように思えた。

特に気になることもなかったので、私はまた目を閉じた。

数秒後、なにか嫌な感じがして、目を開いた。

今度はさらに一列こっちの方へ移動してた。

スリでもやらかしたらとっ捕まえて駅員に引き渡してやろうと思い、俺は半目を開けて寝たフリをしてみた。

案の定、サラリーマンは俺が目を閉じたのを確認して立ち上がった。

こっちへ来るか?と思ったが、そうじゃなかった。

サラリーマンは、そのまま車両の真ん中でクルクル回り始めたんだ。

そして、回りながら

「騙されないぞ~騙されないぞ~狸寝入りなんかに騙されないぞ~」

ってつぶやき始めた。

さすがに怖くなって、そのまま寝たフリをし続けて、次の停車駅で逃げるように電車を降りた。

サラリーマンは追っては来なかった。

それ以来、終電には乗らないようにしてます。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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